2001年度 立命館大学 「労働保護法」講義

第8回「3.労働条件 A.労働時間」

2001.11.13.  佐藤

はじめに
 1.来週:中間テストを実施する
   当初に予告していた日程よりも一週間遅れているが、講義が一週間遅れているため
 2.前回のまとめ:配転

*講義テーマ:残業を拒否することはできないのだろうか?

1.具体的事例から(資料参照)

2.日本の労働時間
 1)各国の労働時間と日本の長時間労働
   *「統計」について
 2)わが国の長時間労働の原因
  1.法定労働時間が長い  2.法定年次有給休暇が少なく取得率も低い
  3.週休二日制でない   4.時間外労働(残業)に歯止めがない
  5.中小企業

3.労働時間法制
  1)原則:法定労働時間(32条)
 2)弾力化:変形労働時間制
   1.概要
   2.導入理由
  3)延長:時間外労働(残業)
   1.概要
    1.労使協定があれば残業させてもよい制度
    2.割増賃金の支払い
   3.労働者に対する労働義務発生とは別
   2.制限
    1.労使協定(36条)、割増賃金(37条)
    2.上限:1)妊婦の場合   2)年少者の場合   3)坑内夫の場合
         4)上の場合以外:男女あわせて命令で上限(1998年法改定)

4.残業義務の発生根拠
 1)法定要件の効力
  1.労使協定には免責的効力のみ
  2.別に残業義務の発生が必要

 2)諸見解
  A説:個別同意
  B説:労働協約
  C説:就業規則:日立製作所武蔵工場事件 最判 平3.11.28民集45-8-1270

*参考:残業規制の方法
  1.現状:サービス残業(残業の三人に一人)、ふろしき残業、ボランティア残業
  2.労働者の拒否   参考:アフターファイブの会
  3.労働組合による規制
  4.労使協定を締結しない、上限を設定する、残業する場合を明定する 等
  5.法規定:残業は例外規定、上限規定/法改正

[参考文献]
 片岡 ・萬井隆令編『労働時間法論』(1990年、法律文化社)
 宮前忠夫『週労働 35時間への挑戦』(1992年、学習の友社)
 野田進・和田肇『休み方の知恵』(1991年、有斐閣)
 西谷敏『ゆとり社会の条件』(1992年、労働旬報社)
 鹿嶋敬『男の座標軸』(1993年、岩波書店)
 労働総研『日本の労働時間』(1994年、学習の友社)
 *日立製作所武蔵工場事件に関して
   宮原寿男『「世界の日立」に挑むー日立残業拒否解雇事件の30年』
    (1998年、学習の友社)
   ホーム・ページ http://www.iijnet.or.jp/c-pro/hitachi/

[自己点検項目]
 1)講義を受講して、理解が進んだ点
  2)講義でわかりにくかった点
  3)講義に関する質問
 4)その他(自由記述)

[出席者]
     10/02  09   16   23   30  11/06  13   20   27  12/04  11   18   1/08
法          13   14    9   12  9  10
法以外      11   14   11    9   13     9
合計    24   28   20   21   22    19