はじめに:前回のまとめ
1.労働基本権を保障する憲法規定とその保障内容
2.憲法上保障された労働基本権の制限とそれに関する最高裁判所判決
*前回の質問:合憲論はどこから出てきた議論なのか
*本日の講義テーマ「管理職の作った組合は『労働組合』か?」
1.事例から(管理職ユニオン:資料参照)
2.「労働組合」の基礎知識
1)「管理職ユニオン」の誕生する組合組織上の背景:日本の労働組合の組織形態
[要点]日本の労働組合は歪な組織形態(企業別組合組織)をとっており、それが労働
法解釈にも極めて大きな影響を与えている。
1.産業別組合と企業別組合
2.企業別組合の弱点とされていること
3.企業別組合と労働組合法解釈:企業施設の利用・便宜供与、労働協約と有利原則
2)法的に「労働組合」であるとされるとどのような利点が認められるか
1.刑事免責 2.民事免責 3.不利益取り扱い
4.法人格、不当労働行為手続き、など法律上の便宜
3)法的意味での「労働組合」の要件
[要点]憲法28条(注:労働組合法ではない)の保護を受ける「労働組合」の要件
(必要な条件)には四つあることと、それぞれの判断基準。
1.「労働者」
1.労働者とは何か:「請負」「委任」
2.限界事例 (a)楽団員 CBC管弦楽団事件 最一小判 昭51.5.6
阪神観光事件 最一小判 昭62.2.26
(b)プロ野球選手
2.「自主性」
1.「純粋性」(第二条但書一号)
2.「独立性」(第二条但書二号)
3.目的 (第二条但書三号・四号)
4.「団体性」
5.「民主性」について(労組法第五条との関係で)
3.管理職組合は法上の「労働組合」か否か
1)中間管理職
2)混合組合
3)利益代表者
A.肯定
B.否定
C.憲法組合
[参考文献]
徳住堅治他『ザ・管理職組合』(1994年、中央経済社)
日本労働法学会編『現代労働法講座 2 労働組合』(1980年、総合労働研究所)
[自己点検]
1)自己点検
a)講義を受講して、理解が進んだ点
b)講義でわかりにくかった点
2)自由記述
a)講義に関する質問
b)その他
[受講者数]
4/17 4/24 5/08 5/15 5/22 5/29 6/05 6/12 6/19 6/26
7/03 7/10 7/17
法 48 48
経・営 7 3
産社 6 5
合計 61 56