有事法制と自衛隊の海外派兵に反対し
 憲法が輝く二十一世紀への共同をよびかけます

 戦争と平和、テロと「報復戦争」をめぐって二十一世紀の世界と日本の進路が問われています。
 「日本をかえる」「自民党を変える」といって誕生した小泉内閣は、国民の支持を急速に失いつつありますが、テロ根
絶に名をかりて、アメリカの「報復戦争」に全面的に協力・追随し、戦後初めて自衛隊を公然と海外に出動させていま
す。さらに、憂慮すべきことは、ブッシュ大統領の二月一八、一九日の訪日を契機として、アメリカが一方的に敵視す
る北朝鮮、イラン、イラクへの単独行動にさえ協力するという危険で異常な追随外交を展開していることです。
 いま、日本政府は「備えあれば憂いなし」と称して、歴代のどの政権も手をつけることのできなかった、憲法と絶対
に相容れない「有事立法」を国会に上程しようとしています。有事立法は、政府がすすめる戦争に協力することを強制
し、従わないものを犯罪者にするものであり、日米共同の戦争に罰則つきで国民を総動員するところに真のねらいがあ
ります。戦前の有事立法は日本を守るために使われたことはなく、有事の備えの後に来たものは侵略戦争であったとい
うのが、痛切な歴史の教訓ではなかったでしょうか。
 このようなとき、二月一二日、京都の舞鶴を基地とする海上自衛隊の護衛艦「はるな」が、アメリカのアフガニスタ
ンでの軍事行動支援のためにインド洋へむけて出航するなど、自衛隊員やその家族をはじめ市民のなかには大きな不安
がひろがっています。
 これらの事態は、侵略戦争の反省の上にたって、全面的な戦争放棄と戦力不保持を定めた人類の宝ともいえる憲法九
条を乱暴に蹂躙するものであり、わたしたちは、あのいまわしい侵略戦争への道を想起せざるをえません。
 二十一世紀を文字通り憲法九条が輝く世紀とするために、有事法制と自衛隊の海外派兵に反対し、この京都から平和
を希求するすべての人々の共同を心からよびかけるものです。ぜひ、多くのみなさんのご協力・ご賛同をお願いします。

二00二年三月

よびかけ人(五十音順)

 龍谷大学教授      上田 勝美
 弁護士         小野 誠之
 大原念仏寺 住職    大島 亮準
 日本聖公会司祭 牧師  大江 真道
 随筆家         岡部伊都子
 弁護士・市民運動家   折田 泰宏
 衆議院議員       こくた恵二
 国語学者・エッセイスト 寿岳 章子
 衆議院議員       辻元 清美
 哲学者・評論家     鶴見 俊輔
 弁護士・市民運動家   村井 豊明

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