私たち法律家は自衛隊のイラク派遣に反対します


  今、日本国憲法制定以来初めて、日本の武装部隊が「戦地」に派遣されようとしています。憲法本来の趣旨に照らして到底許されることではなく、私たちは法律家としてこの事態を座視できません。
 政府は、2003年12月9日自衛隊のイラク派遣を閣議決定し、同月18日防衛庁長官作成の「実施要項」を承認しました。これにより、陸海空合計1000人規模の自衛隊員のイラクへの派遣が実行されようとしています。
 自衛隊の派遣先であるイラクは、米英軍の軍事占領下にあって戦闘収束の見えない緊張状態が継続しています。自衛隊がこの紛争地で実施する「安全確保支援活動」とは軍事的支援にほかならず、現地の人々からの攻撃対象となりかねません。これに対する反撃は戦闘そのもので、武力行使あることを想定し容認しての武器携行の派遣なのです。
 米英両国は、国連憲章と国際法理に違反して主権国家に対する先制攻撃を敢えて行い、圧倒的な武力でイラクの政権を崩壊させました。違法な開戦に続く軍事占領の国際法上の違法性は明らかです。憲法9条を持つ日本が、米英に追随して自衛隊をイラクに派遣することは、憲法と国際平和に違反する行為として到底容認できません。
 日本弁護士連合会も、今回の派遣は、「イラクにおける自衛隊の武力行使を容認するものであり、他国領土における武力行使を禁じた憲法に違反するおそれが極めて大きい」として、自衛隊のイラク派遣に強く反対しています。
 私たち法律家は、恒久平和を希求する日本国憲法の原点に立ち返って、自衛隊のイラク派遣に異議の声をあげ、政府にその方針の撤回を申し入れるとともに、多くの市民の皆様にも、共に大きく声を上げていただくよう呼びかけます。

[主催団体]
●自由法曹団  ●青年法律家協会弁護士学者合同部会
●社会文化法律センター ●日本国際法律家協会
●日本反核法律家協会  ●日本民主法律家協会

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