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本文へジャンプ 2005年5月27日 

 

第6回 明石市(兵庫)/加古川市(兵庫)

隣接する自治体の未来に向けた外交戦略
〜 明石・加古川市長の新時代への挑戦 〜

【開催日】
  2005年5月27日
【講師】
  北口寛人 明石市長
  樽本庄一 加古川市長
【テーマ】
  (明石市)海峡交流都市・明石市が目指すもの
  (加古川市)加古川市の国際交流





Today's Lecture


明石・加古川市長、わがまちの国際戦略を語る


 早くも7回目を迎えた、特別連続講義「自治体外交の挑戦」は、「隣接する自治体の国際戦略の相違」というテーマで、明石市・加古川市という二つの市長が講演を行うという形式の中行われた。

 まず先に演壇に立った加古川市の樽本庄一市長は、加古川市の思わぬ魅力に触れた後、「国際交流」という観点から姉妹都市交流事業について説明した。また、地域国際化への取り組みの中で、「次世代を担う子供達の育成」という加古川市の至上命題から市民が積極的に交流できるように、資金面では加古川市国際交流協会の設立、そして運営面では加古川市国際交流センターでの取り組み等を紹介した。さらに、地域資源を生かした「全国川サミット」の形成や、在住外国人含めた「タウンミーティング」の実施等を紹介し、明石市長の眼前で「加古川市の外交戦略」の存在感を十分に示しながら演壇を明石市長に譲った。

続いて登壇した明石市の北口寛人市長は、過去に明石市の海岸で起きた悲惨な事故に触れ、その教訓を生かして「安全」を最優先に施政を行っていく決意を新たにした。その後北口市長はとりわけ姉妹都市を通じた交流について紹介し、また明石市内においても外資系企業や外国人労働者が勤める企業の増加についてもその現状を述べ、「海峡交流都市・明石市」が果たすべき役割についても、「地方自治体レベルだからこそできること」を掲げながらその気概を披露した。北口市長は現在の国際事業を「次の世代にいかにして引き継ぐか」ということの重要性を説き、「国際交流」に向ける自らの熱い思いを会場に響かせながら講演は終了した。

  講演終了後、二人の市長には明石市出身の学生や、加古川市の姉妹都市であるブラジル、マリンガ市に関わりの深い日系ブラジル人の学生等から様々な質問が寄せられ、また明石・加古川両市の政策面での相互協力の可能性を指摘する質問も寄せられた。

Lecture memo 〜講演の重要ポイント〜


地勢

明石市 加古川市
人口 292,050人 266,368人
面積 49.24ku 138.51ku
位置・特徴 東経135度の日本標準時子午線上にある。
瀬戸内海に面しており、明石海峡をはさんで淡路島を眼前に望む。
阪神都市圏と播磨臨海地域、そして海を隔てて淡路・四国と結ぶ位置にあり、海陸交通のうえで重要な拠点。
瀬戸内海を望む兵庫県南中部にある。
一級河川「加古川」の水の恵みを受けて発展してきた都市。
史跡が多く、自然と歴史が融合する都市。



姉妹都市・友好都市との取り組み

明石市 加古川市
■バレホ市(アメリカ合衆国)
中学生を中心とした相互交流。
提携締結以来37年にも及ぶ交流事業。
■マリンガ[Maringa]市(ブラジル連邦共和国)
マリンガ市での外国語センターの設置によって日本語の教育も行っている。
■無錫[むしゃく]市(中華人民共和国)
市民の力が源になり姉妹都市提携締結。
日・中学生によるジョイントコンサート開催。
■ワイタケレ[Waitakere]市(ニュージーランド)
中学生だけでなく、障害者も伴った相互交流の実施。


講義終了後 市長にインタビュー


★講演を終えられた後の感想をお聞かせください。

【樽本加古川市長】
 学生が寝ずに熱心に話を聞いてくれて嬉しかった。
そして講演の中では言いたいことを言えていい時間であったと思う。国際関係学部の学生だけではなく、他の学生も「国際交流」ということに関心を持ってもらいたい。

【北口明石市長】
 大学という自由に学べる空間でその空気を吸って、或いは学生のみなさんの真剣な眼差しで随分と元気をもらいました。日々の職務の中では様々な困難に立ち向かい大変な時もあるが、今日はみなさんに元気をもらって嬉しかった。


★今日は「隣接する地方自治体の国際戦略の相違」というテーマでしたが、お互いの講演をお聞きになっていかがでしたか?

【樽本加古川市長】
北口市長の講演の中にもあったように、現在の国際交流事業をいかにして次の世代に受け継ぐかが今全国で大きな問題になっている。そのことにこれからも取り組んでいかなくてはならない。

【北口明石市長】
 本来は講演の中でより細かい情報を出す、或いは系統立てて話したほうがよかったかもしれないが、今回敢えて私は感情のみを伝える方法を採った。 樽本市長は加古川市職員のご出身だけあって緻密な素晴らしい講義であったと思う。


★加古川市では外国人の方を含めたタウンミーティングを実施されているとのことでしたが、そこから実現されたことはありますか?また、中学校での外国人との交流はAET以外に何か取り組まれていますか?

【樽本加古川市長】
 タウンミーティングは30歳以下の若い職員が運営しているが、事前の打ち合わせは一切していない。その方がより新鮮な意見の交換が出来る。外国人とのタウンミーティングはその一部であり、加古川市民の一人として考えている。外国人との意見交換の中からは生活面での様々な検討がなされ、外国人向けのパンフレットの作成もされている。
 さらに、AETとの交流は中学生にとって非常に魅力的なものであり、そこから相互の知り合いを通じた交流へと広がりを見せているようだ。

★講演の中にもあった「政府間の関係が悪化した時こそ地方自治体レベルでの交流」といったことを、次世代を担う子供達にどのように教育していくのですか?

【北口明石市長】
 世界を見る感覚は例えば0か100かのようなものではない。様々な感覚を身に付けることが重要である。そのための教育の構造を立てながら、様々なものの見方ができるような取り組みを行なっている。

★最後に学生へのメッセージをお願いします。

【樽本加古川市長】
学生だからもちろん勉強をしなくてはならないと思うが、これからの生活の中で「普通」の感覚を見に付けられるように頑張ってほしい。

【北口明石市長】
とにかく自由に学んでほしい。そして、様々なことに挑戦していくことで、自分の「価値」といったものを確立できるように頑張ってほしい。




Voice of Student 〜受講生の感想から〜

★日本人のルーツを思い出す場所
加古川市とマリンガ市との姉妹都市事業について樽本市長に質問した、日系ブラジル人の佐藤モニカ美佐さん(国際関係学部4回生)は「自分に近いパラナ州(マリンガ市のある州)と加古川市が姉妹都市を結んでいるのを聴いて嬉しかった。おじいちゃん達とも現在は表面的な付き合いはあるけれども、あまり深い交流がなく移住当時の苦労も知らない。しかし、日本人としてのルーツを思い出すためにも、外国語センターは役に立っていると思いました」と感想を語り、講義後も樽本市長とブラジルの話に花を咲かせていた。




★身近に感じた北口明石市長
明石市出身で、明石市の今後の政策の展開について質問した古志豪克さん(国際関係学部2回生)は「今回は自分の地元である明石市、加古川市の市長のお話だったので、話題が非常に身近に感じられ、聞き入ってしまった。自分が故郷を離れたからこそ見えてくるものもあり、市長のお話を通して、改めて故郷のすばらしさを認識できた気がする。授業後、北口市長と話すと、祖父や父と知り合いとわかり、市長が本当に身近に感じられた。気さくな人柄であるが、何気ない言葉の中から、市政はもちろん、地方が国を支えていくという思いが強く感じられ、この方が明石市の市長で本当によかったと感じた。非常に有意義な日であったと思う。」と感想を語り、講義後も北口市長と語り合っていた。



Staff Viewpoint
 今回の明石・加古川市長による講演の最大の注目点は、やはり二人の市長が同じ時に同じ場でお互いの国際戦略を披露し合ったことであろう。二人の市長の話を聴くことで、お互いの政策の長所・課題点が分かり、
国際戦略という観点から見た「政策」の違いがどのような背景から生まれているのかということは非常に興味深かったのではないだろうか。
 両市長が講演の中で幾度となく強調されていたのはいかにしてこの取り組みを次世代に引き継ぐか」という課題の重要性であった。これからの世界を担う子供達の可能性を大切にし、次世代に向けてより発展させていこうとする取り組みは非常に感慨を受けた。

 現在、地方自治体において地方からの国際化を推進し、その重要性を訴える樽本市長、北口市長が次の世代に託そうとしている思いを、私達がどのように感じどのように実現していくのかということを改めて考えさせられる講演だったのではないだろうか。両市長の熱い思いが受け継がれ生き続ける限り、地方と外国を繋ぐ架け橋は永久に途切れることはないだろう。
(国際関係学部3回生 淺川貴広)





Links of Lecture

・明石市ホームページ[http://www.city.akashi.hyogo.jp/]
・加古川市ホームページ[http://www.city.kakogawa.hyogo.jp/]
・加古川市国際交流センター[http://www.city.kakogawa.hyogo.jp/institution/KOKUSAI/kokusai.htm]