第7回 浜松市(静岡)
【開催日】
2005年6月3日
【講師】
北脇保之 浜松市長
【テーマ】
地域共生から世界都市へ−浜松市の国際戦略―

第8回目の特別連続講義は北脇康之・浜松市長が「地域共生から世界都市へ−浜松市の国際戦略―」と題して講義した。
講義の内容は以下の通り。
浜松市は人口およそ60万人で、ものづくりには実績があり、スズキやヤマハといった有名な企業がある。また、全国で1番多くブラジル人が住んでいる市でもある。
市のビジョンとして「技術と文化の世界都市」を目指している。国際化の取り組みもそこからきている。
「技術」 地域でその時代に応じた先端産業を生んできた歴史がある。外からの企業誘致でなく、内発的に生まれてきた。背景には「やらまいか精神」(やってみようの意味)がある。
「文化」 楽器製造のまちだけでなく、音楽文化のまちへと取り組んでいる。
「世界都市」 「国際都市」ではなく、何か世界に共通するものを育てると言う意味で「世界都市」という言葉を使っている。
1990年の「出入国管理及び難民認定法」の改正施行以降、「ニューカマー」と呼ばれる外国人が浜松市に多く住むようになったことも浜松の「世界性」の1つだ。
まずは「外国人市民」も「市民」と認識しなければならない。経済を考えても無視できない。一方で、生活上のトラブルがあるのも事実だ。
外国人市民は定住化しつつあるのに、健康保険や年金の未加入が多いことは問題だ。
いずれの問題も自治体のみでの解決は不可能で、国の制度面の取り組みがなければ解決はない。しかし、現状としてはまだ国に提言している状態だ。
浜松市は近い将来の日本を先取りしている。 長い目で見たら、外国人が受け入れは避けられない国全体の課題と考えるべきだとした。
「地域共生(多文化共生とほぼ同じ意味で使う)」は、地域を豊かにし、日本社会の活力を維持する上で重要だと結んだ。
講義の間、北脇市長は自らパワーポイントを操作し、ずっと立って話した。
会場の学生からは外国人市民会議や教育の取り組み方について質問が出た。講義終了後も市長を囲んで質問する姿が見られ、限られた時間の中で市長は丁寧に答えていた。
★本日の感想をお聞かせください。
皆さん非常に熱心に聴いてくれて、私としても手ごたえを感じて、良かったと思う。
★市長が考える開かれた社会とは?例えば、私達の町である浜松という地域を一つの舞台として、日本人であっても
外国人であっても守るべきルールはあるが、それを守っていれば自分の遣りたいことが出来る基盤の整っている社会のこと。
★政令指定都市への移行とそれに伴う人口増加によりきめ細かいサービスが難しくなるのでは?
外国人関連サービスに問わずよく言われる。国全体の分権のように都市内でも分権を行うことで対応したい。政令指定都市に移行すると区の設置が認められるが、区を中心として地域づくりを行い、区レベルで細やかな行政サービスを行うことで、今までと同等もしくはそれ以上の事が出来ると考えている。
★なぜ国会議員から市長に?
私は元々自治省出身で、地方行政に長年携わってきた経験もあり、みなが押してくれた。もともと自分がやりたかった仕事に戻るチャンスを与えてもらったと思っている。
★最後に学生へのメッセージをお願いします。
国際関係学、今勉強していることを生かして活躍してほしい。私の願いとしては、日本の国をもっと開かれた、オープンな社会にしたい。その担い手として、期待している。
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