講義趣旨


本講義は、読売新聞社の協力を得て、過去2年間実施してきたリレー講義
「現代社会と宗教」を継承・展開する試みである。すなわち同講義は、
2005年度「日本編」、2006年度「世界編」として、それぞれ著名な宗教者を
中心とする講師陣を配し、「宗教」への理解を深め、その現代的役割の考究
を通じて、みずからの心を省察した。本年度は、この成果と潮流をいったん
京都を核として収斂・深化させると同時に、寺社をめぐる文化的諸要素に視野を
拡大することによって、逆に宗教に対する評価を客観化し、その多面的機能を
再発掘しようと企図する。そしてこれらを包括する概念は「京都学」である。
当然のことながら、この場合の「京都学」とは、たんなる地域学ではない。
今日の日本文化の源流を探り、広く世界に接するための学問なのである。
宗教が持つ多機能性と文化的営みを理解し、宗教に対する客観的認識を深める。
また、「京都学」が目指すところとその意義を精確に認識する。
できれば、「京都学」の創成にみずから参加する意欲と具体的手段を見出したい。