2016年夏、ぼく(ちびてこちゃん)は中国の済南市と北京市に行ってきました。
用事の合間に訪れた観光地などについてご紹介します。皆様の旅の参考になれば幸いです。

空を飛んで山東省の省都、済南市に到着。最近は日本から直通便が週に何度か出ているから便利だね。

到着して正規の乗り場からタクシーに乗ったが、何か高めに取られた。今回済南では二度空港からタクシーに乗ったが、どうも空港で乗るタクシーの印象が悪かった。そのあたり、まだ発展途上という感じがする。市内で乗ったタクシーは総じて良い印象だったので残念だ。

到着して2日目、いきなり済南市を離れて同じく山東省内にある臨沂市に長距離バスで向かう。済南市には高速バスターミナルが二か所ほどある。中国では近年どこの施設でもそうだが、ターミナルの建物に入るのに荷物の安全検査があるので、持っているものを機械に通そう。

切符売り場に行き、行先を告げるとすぐ後に出るバスのチケットをくれた。発車時間の指定も多分できるとは思うが、特に訊かれなかったので必要な場合は紙に書いて見せよう。なお、長距離バスについてはネットでだいたいの時刻表が見られるので予め調べておくと便利だ。左の写真は往きのチケットで、発車時刻が「流水」となっているが、随時発車ということのようだ(実際は決まっていたが…)座席も特に指定なし。

このバスターミナルからはだいたい1時間に1~2本臨沂行きが出ているようだった。でも帰りに乗ったバスは済南市内の別のバスターミナルに到着したので、とにかく済南市内に戻りたいということであれば、一時間に数本あるということになる。

なお、臨沂までは片道4時間、往きは途中で1回トイレ休憩があったが、復路では休憩なし(!)だった。あるいは頼めばトイレに寄ってくれるのかもしれないが、心配な人は乗る前に確認した方が良いかもしれない。バスでは前方の小さなテレビで映画が上映されていた(でも音声がほぼ届かず…)ので、楽しみたい人は前方の席に座ろう。


銀雀山漢墓竹簡博物館


臨沂に到着したら三輪車の客引きがすごかった。それをふりきってタクシーで銀雀山漢墓竹簡博物館に到着。宣伝している割には結構さびれていた。入場料20元。
 
1972年、銀雀山と金雀山で漢代の墓が発掘されて副葬品が見つかっており、特に銀雀山の1号墓からは大量の竹簡が出土したことで有名だ。ただし、ここに展示されているのは精巧に作られたレプリカで、本物は山東博物館に保管されているらしい。出土した竹簡はだいたい出土時には泥水に浸かっていることが多く、その後の保存が非常に難しい。

実はここ、10年前にも来たことがある。変わっていないなと思って入っていったら、改装工事の真っ最中だった。
まだ残っていた一部の展示を見て、かろうじて開いていた(門の受付のおじさんが来てくれた)売店で竹簡のレプリカや本などを購入、1時間ほどで博物館を後にした。そしてタクシーでバスターミナルに戻り、すぐに済南行きのバスに乗った。滞在時間わずか1時間30分ほど。
臨沂には王羲之記念公園など他にも見所があるが今回は時間の都合でパス。10年前に行ったので良しとしよう。

右の写真は帰りのバスから見た風景。泰安市を通過するので泰山が見えるかと思ったが、どれだかわからなかった。山東省の山は土が少なく岩が多いため(他にも理由はいろいろあるらしいが)樹木が少なくごつごつした印象。途中で風力発電の風車がたくさん立っているところもあった。

ちなみに済南市から臨沂市へは電車でも行ける。でも遠回りをするので結局かかる時間は同じくらいのようだ。好みで選ぼう。


趵突泉公園

済南市は泉の多い地域で、北側には黄河、南には泰山をはじめとしたやや高い山に囲まれた地形で、地下水脈が発達したためだといわれる。市の中心部にこの趵突泉公園と、五龍潭公園、大明湖公園などが隣接しており、この三か所のセット入場券(70元)が購入できる。その他、黒虎泉など無料で見られる泉もたくさんあるよ。全部回るとだいぶ時間がかかるけれど、特にぼくがお勧めなのは趵突泉公園と黒虎泉付近。趵突泉は「七十二泉」の中で「第一泉」と称えられる泉で、『水経注』済水に「濼水。…泉源上奮、水涌若輪」と書かれている。つまりここから出た水の流れが濼水になり、黄河へ注ぐ水路になっている。『春秋』桓公18年には魯公が斉侯と会見した場所として出てくるよ。
 
趵突泉。
絶えず水が湧き出ていて(この時はちょっと水量が少なかったが)、水もきれい。やはり第一泉と言われるだけあって一番美しい。一見の価値あり。
 
泉のひとつ(名前を忘れた)。このような泉が公園内にたくさんある。
 
 公園内には宋代の女流詞人、李清照の資料館などもあるよ。
 
濯纓泉。このほか、何故かアザラシ(どこから連れてきた!?)が泳いでいる池なんかもあった。

五龍潭公園

趵突泉公園から北に歩いて行くと入口がある。

こちらも泉が複数ある公園だが、大きな池のようになっていて、観光地というより市民の憩いの場、という感じが強かった。訪れた時には入口付近でカラオケ大会(?)が開かれていたよ。また奥では謎の踊りの練習をする奥様たちや、独りで太極拳の練習をする達人ぽいおじさんがいたりした。

伝承によるとこの五龍潭は昔はもっと深かったのが、だんだん浅くなって今のような池になったらしい。

訪れたのは6月末で、まだ夏休みではないはずだったけれど、水遊び場には人が大勢いて賑やかだった。他のところでもそうだったが、泉に入ることは固く禁止されているが、親子が安全に水遊びできる場所がいくつか作られていて楽しそうだなと思った。

手前の女性が手にしているのは水鉄砲。市内の泉のそばで多く売られていて、そこかしこで子供が水鉄砲で遊んでいた。
それにしても魚多いね。
 
こちらは水遊びできる場所。親子でいっぱいだった。涼しそう。

大明湖公園

五龍潭公園の北に位置する。

この公園、ちょっと変な感じになっていて、西南門から湖の南側、南門付近につながっていないのだ(船で行くかぐるっと北→東→南と歩いたら行けたかもしれない)。西南門から入って、どうしようかと思っていたら、一度出たところに南側に通じる道があるのだった。どうなっているのかよくわからない。

ネットで調べたところでは南側に蔵書楼があるとのことで、そこを見に行ったのだが、それらしき建物には「山東省図書館」という看板がかかっていて、休館日だった。残念。

なお南門からは旧市街に入る観光道路につながっている。また東側は黒虎泉のあたりに流れる水路につながっていて、三つの公園と水路で市街をぐるっと囲むかたちになっているのだ。

公園内にあった晏公廟。『晏子春秋』で有名な、斉の宰相、晏嬰を祀ったところ。墓が臨淄にあるようだが(衣冠塚?)、今回は行かなかった。
 
ちょっと見にくいけど、公園内のマンホール。デザインがおしゃれだね。
 
黒虎泉付近

上記の公園から繋がる済南市環城公園にあり、水路沿いの遊歩道を歩いているとあちらこちらに泉が見られる。水路の底からも水が湧いていて、水がきれいな地域である。この付近に来ることがあったらぜひ立ち寄ってみてほしい。

今回はホテルをこの近くにとっていたので、ホテルから歩いて5分くらいでこの泉群を回ることができたよ。
観光客だけでなく、市民の憩いの場になっていていい場所だった。
自分の家の近くにこんな遊歩道があったら毎日歩きたい。

左の写真はその泉のうちの一つ。名前がひとつひとつついているのだが、たくさんあって記録を取るのを忘れた…
 
これが黒虎泉。地元の人がバケツなどを持って水を汲みに来ていた。写真には写っていないが、この近くに茶屋がある。
 
水路には観光船も通っている。大明湖から来ているようだ。
 
こんな風に水路を挟んでいくつかの泉が点在している。水路そのものも地下から水が湧きだしているので泉のようなものである。
 
白石泉。水草が青々としている。手を入れてみたら冷たくて気持ち良かった。

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