トップページ 鳶野克己ゼミ ゼミ概要
・文化と人間形成

 このゼミでは、基本的に、現代文化における人間関係のあり方を、私たちの人間形成にかかわる問題として位置づけて議論していく。受講者は、現代社会を特徴づける文化現象であれば、どのようなテーマを持ち込んでもよいが、そのテーマが、他者とかかわりながら自己を形成していくという私たちの生き方を理解していく上で切り開くであろう理論的・実践的展望を示すよう促される。
今年度前期は、下記のテクストの読解を中心に進められる。
「あの人との出会いが私を変えた」といった表現は、今日、私たちが自己の生き方の変化について語る際、半ば常套句になってしまっている。しかしながら、「出会い」が私たちにもたらすものは、生きることの意味をめぐる容易ならざる深さと激しさを原理的に秘めていると思われる。ゼミでの議論を通じて、「出会い」という出来事に伴う驚きと懐疑、喜びと不安の様相を丁寧に考究していきたい。
 後期は、次年度の卒論作成を視野に入れ、人間関係や人間形成に関する各自の問題意識に基づく研究の成果を順次発表していく。発表内容は、前期の共通テーマに拘束されなくてよい。むろん、前期の議論に触発された発表も大いに歓迎される。肝要なのは、自身の問題意識を鮮明にし、研ぎ澄ますことである。なお、発表テーマの設定などについても個別に相談に応じる。
 このゼミの目指すところは、精緻な文献読解を基礎とした、人間形成に関する新鮮で説得力ある理論構築であるが、現地調査や統計データなどを活用する研究方法も受け入れられる。
 
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