立命館大学文学部人文学科
哲学・倫理学専攻のご案内
ラファエロ『アテナイの学堂』
哲学・倫理学という学問
哲学は2600年の歴史をもつ最古の学問です。2600年以上にわたる各時代の最高の知性による思索の重層的な積み重ねが哲学の世界をつくりあげています。
存在の問題、価値の問題、美の問題、神の問題、人生の問題、その他およそ人間として問わねばならない問題のすべてが哲学という学問の対象であり、内容です。
各時代を代表する偉大な哲学者たちの思索に親しむことによって、みなさんは世界を知り、人生の深みを見ることでしょう。
(左より)現象学 フッサール、存在の思索 ハイデガー、啓蒙理性批判 アドルノ、道徳の基礎づけ カント、身体論 メルロ=ポンティ
哲学・倫理学専攻の教学目標
哲学・倫理学専攻での学びの目標は、人間および世界のあり方について知見を深めるとともに、自ら考える力を身につけることです。
すでに敷かれたレールの上を何も考えずに歩むだけで、本当に自分の人生といえるでしょうか。
自分の頭で考えてこそ、借り物ではない自分の思考、自分の人生といえるのです。
立命館大学文学部人文学科哲学・倫理学専攻では、学生たちが哲学的な考え方に親しむことにより、以下のような力を身につけることを目標に教育を行なっています。
1)存在の問題、価値の問題、人生の問題、社会の問題などについて興味・関心をもち、自分にとって、人間にとって問うべき重要な問題を見つける能力、すなわち問題発見能力を身につけます。
2)2600年の哲学の歴史および進行中の哲学の営みのなかから重要な手がかりを見つけるべく、文献を的確に理解し、哲学的知見を深めます。
3)それをもとに自ら考える力、とりわけ既成の思考にとらわれない柔軟な思考をする力、そしてまた論理的に思考する力を身につけます。
4)その思考の成果を他の人にわかってもらえるように伝える表現能力を身につけます。
このような問題発見能力、しっかりとした理解力と豊かな知見、柔軟かつ論理的な思考力、表現力・伝達力、これらを身につけることにより、自分自身の人生を切りひらき、社会のさまざまな領域において活躍できる人間となることができるでしょう。
カリキュラム:二つのコースで哲学と倫理学を学びます。
立命館大学文学部人文学科哲学・倫理学専攻では、2回生から「哲学・現代思想コース」と「倫理学・応用倫理コース」の2コースが設定されています。
・「哲学・現代思想コース」では、哲学史(古代ギリシア、近代哲学)、現代哲学(フランクフルト学派、現象学、フランス現代思想など)を学びます。
・「倫理学・応用倫理コース」では、倫理学の原理(規範主義、功利主義、正義論など)や応用倫理学(環境倫理、生命倫理、情報倫理など)を学ぶことができます。
また、1回生時には「哲学概論」、「倫理学概論」、「研究入門」(小集団)で哲学や倫理学の基礎と研究方法を学び、2回生以降は「哲学史」、「倫理思想史」、「哲学特殊講義」、「現代哲学特殊講義」、「倫理学特殊講義」などの充実した講義科目群、文献読解力をつける「哲学・倫理学文献講読」、「哲学・倫理学外書講読」などの講読科目群、研究発表や論文執筆を指導する「哲学基礎講読」、「哲学講読演習」などの演習科目群により、幅広い専門的知識と高度な研究能力を身につけます。
卒業後の進路
哲学・倫理学専攻卒業生の進路(2006-2007年度)は、大学院進学の他に
・マスコミ(産業経済新聞、読売新聞、熊本放送)
・教育(名古屋経済大学高蔵高校、京都文京学園、駿台学園)
・公務員(京都市教育委員会、愛知県教育委員会)
・金融(中国銀行、福岡銀行、関西アーバン銀行、南都銀行、京都信用金庫)
・一般企業(NTT、三井住友海上火災保険、みずほファイナンシャルグループ、いすず自動車、近鉄百貨店、日本通運)
など、多彩な方面に開かれています。
哲学・倫理学専攻教員自己紹介
谷徹教授(現象学、現代哲学)
「私と他者との関係」を考えたいという思いから哲学を志しました。
大学では、当時注目を集めていたサルトルを学び、さらにメルロ=ポンティに関心をもちました。大学院では、彼らの哲学に基礎を与えたフッサールに引かれ、またハイデガーの存在論に視野を広げました。
その後、デリダやフーコーにも興味をもつようになりました。こうした経緯から、今は「私」と「他者」と「存在」とのあるべき関係を模索しています。
谷教授の著作:『これが現象学だ』(講談社現代新書)
『意識の自然』(勁草書房)
翻訳:フッサール『ブリタニカ草稿』(ちくま学芸文庫)
北尾宏之教授(倫理学、カント哲学、応用倫理)
価値観が多様だとされる現代社会にあっては、各人が自由を謳歌できると同時に、逆にそれが原因となってさまざまな争いが起きているといってもよいでしょう。
そうしたなかで、善悪や正義といった問題を、いかなる根拠によって語りうるのかという問題に、カントの道徳哲学および現代においてその系譜に属する倫理学説、さらにそれに対抗する倫理学説を手掛かりにして取り組んでいます。
また、既存の道徳・価値観の有効性が問い直されるという意味で、生命倫理や環境倫理にも取り組んでいます。
北尾教授の著作:『なぜ悪いことをしてはいけないのか』(共著・ナカニシヤ出版)
『生命倫理の現在』(共著・世界思想社)
加國尚志教授(フランス哲学、フランス現代思想)
フランスの哲学者メルロ=ポンティを研究しながら、知覚、身体、他者、言語、芸術の問題とともに、現代社会における人間性の危機からの回復の方法を考えたいと思います。
2002年3月に出版した『自然の現象学』は、朝日新聞・読売新聞の書評で取り上げられました。 現在は、自然の問題にとどまらず、絵画表現や文学の言語と哲学の問いの交差の可能性を探求しています。
加國教授の著作:『哲学の歴史12』(メルロ=ポンティの章・中央公論新社)
『自然の現象学』(晃洋書房)
翻訳:デリダ『触覚、ジャン=リュック・ナンシーに触れる』(共訳・青土社)
日下部吉信特別任用教授(ギリシア哲学研究)
初期ギリシア哲学から2600年の西洋形而上学を問い直すという見地でギリシア哲学を研究しております。そのため初期ギリシアの資料集であるディールス・クランツを訳し、『初期ギリシア自然哲学者断片集』1 2 3(ちくま学芸文庫)として出版しました。 また『ギリシア哲学と主観性』(法政大学出版局)を著し、西洋哲学を「主観性の形而上学」と断じて批判したハイデガーと同様な見地から、西洋哲学に問題提起を行ないました。 今後とも、西洋哲学を「主観性原理と存在の巨人闘争」の歴史と見る見地から、存在の真理の発掘に努めて行きたいと考えています。
日下部教授の著作:『ギリシア哲学と主観性』(法政大学出版局)
翻訳:『初期ギリシア自然哲学者断片集1 2 3』(ちくま学芸文庫)
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