JASRAC寄附講座

コンテンツ産業論T

〜クリエイティブな現場からコンテンツのプロデュースを考える〜
立命館大学産業社会学部


5月8日

白川  隆三 「日本アニメーションの成功要因とその将来性」

今や日本を代表する文化の1つとなり、世界中の至るところで目にする日本アニメーション。その成功要因は何なのか。そして将来への展望は。「NARUTO」や「るろうに剣心」など数々のヒットアニメを世に送り出してきたアニプレックスの白川会長から、ビジネスの視点から見た日本アニメのすばらしさが語られた。

白川氏は日本アニメの成功要因として、以下の4つを挙げた。

  1. 日本はアニメの世界一の量産国である
  2. ビジネスが他の映像より有利である
  3. 新しい媒体対応型である
  4. 制作費が安くコントロールが容易である

もう少し詳しく紹介しよう。
  日本には莫大なコミック市場があり、そこで当たったものがアニメ化されることがほとんどだ。「マンガはアニメ会社にとっていい市場調査」だと述べ、日本のコミック市場がアニメの発展に関わっていることを示した。
  また、制作費がアメリカに比べ1/3〜1/2程度しかなく、コマ数を減らさざるを得ない。そのためコマ数の不足を補おうと、人間が試行錯誤をすることになる。そうした状況の中で才能・制作手法が育ち、良質のアニメが生まれる土壌が生成されてきたことを解説した。

日本アニメの将来性については、少子化にも関わらずどんどん売れ続けている現状や、中国市場の伸びが期待できることなどを示し、「基本的にはアニメはこれからも伸びる」と日本アニメの展望を語った。しかし一方、「MD(商品化権)ビジネスの方向をもう少し考え、新しいビジネスをクリエイトしないといけない」とまだまだ改善が必要であることも指摘した。

また「今はパソコン1台でアニメが作れる時代になった」と簡単にアニメを作れる現状を踏まえ、「現在はいろんな媒体があり、多くのソフトを必要としている」とビジネスチャンスが広がっていることを示した。そして「大学時代に起業するべし」と受講生に対しベンチャーの勧めがなされた。

白川隆三写真

「日本のアニメは莫大なコミック市場に支えられている」

「金がないから、人間は知恵をしぼる」

「アニメは新しい媒体にターゲット的に適合している」

「デジタル時代は起業時代」

「日本で当たらないものは海外でも当たらない」





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