JASRAC寄附講座

コンテンツ産業論T

〜クリエイティブな現場からコンテンツのプロデュースを考える〜
立命館大学産業社会学部


6月26日

橋爪 健康 「音楽業界の未来構造」

今回の講義はR&C Japan社長の橋爪氏と、産業社会学部の功刀教授との対話形式で進められた。学生からの質問も随時受け付け、「音楽業界の未来構造」についてその場にいる全員で考える、非常に創造的な授業となった。

冒頭で橋爪氏は「現在テレビ局が持っているコンテンツは読売巨人軍だけ。あとは吉本やジャニーズなどのプロダクションなどがコンテンツを握っており、テレビ局はそれを借りているだけ」との痛烈な持論を展開。それを補足する形で、功刀教授から「香取信吾が出演しているNHK大河ドラマ『新選組』の裏番組には、ジャニーズのタレントは誰も出ていない」との例が提示された。そして橋爪氏は「ブロードバンドインターネットなど、テレビ以外の媒体が増えてくる中で、これからはコンテンツの勝負による熾烈な戦いになる」とコンテンツ産業がますます厳しい世界になってくることを述べた。

そして「レコード業界の分配構造が古い時代のままで、矛盾が生じてきている」と語り、その端的な例として、「インディーズでCDが5万枚売れるのと、メジャーで30万枚売れた時の収入が同じぐらい」だと音楽業界の利益配分が旧態依然としていることを指摘、構造改革の必要性を訴えた。その具体例として、「アーティストとエージェンシーがネット上で情報を公開し、話し合って折り合いがつけば手を組む。そんなことも近々起きてくるのでは」という予測がなされた。

学生からは「メジャーのCDよりインディーズの方が価格が安い。これについてどう考えるか」との質問があった。それに対し橋爪氏は「インディーズなど再販価格維持制度に乗らない勢力が台頭してきた時、自然と再販価格維持制度を駆逐してしまうのではないか」と1つの可能性を述べた。

最後に功刀協議から「エンターテイメント業界に進むことを目指す学生へアドバイスを」と求められ、橋爪氏は「エンターテイメント業界は優秀な人にはチャンスが近くなっている。能力があれば高みへ昇ることができ、新しい会社・企画を起こしやすい。プロ化が進んでいる世界です。」とメッセージを送った。



「私はポテンヒットの王者。常に隙間を狙っている]

「今はコンテンツの戦国時代」

「エンターテイメント業界はハイリスクハイリターン。冒険を求める人に入りやすい世界です」



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