JASRAC寄附講座

コンテンツ産業論T

〜クリエイティブな現場からコンテンツのプロデュースを考える〜
立命館大学産業社会学部


7月10日

金子 洋明 「人の心が人を動かす」

「プロデューサーの仕事をしていて最大の喜びは、アーティストやスタッフの生き生きした表情と、お客様が帰っていく時の笑顔を見ること。音楽は人の心を暖かくする。その裏方の仕事をやっていて良かったなと感じます」。そういったセリフを何度も繰り返し、人柄の良さが全身から滲み出ている金子氏。「人の心が人を動かす」というテーマで、とても暖かい雰囲気の講義となった。

金子氏は付き合いのあるアーティストから「金子さんは湯たんぽ」「金子さんは心のお医者さん」と言われることが多々あるそうだ。精神的に追いつめられ、「死にたい」とまで言っていたアーティストを元気づけ、「もう一度歌いたい」と言うようになったということもあったとのこと。それについて金子氏は「アーティストは日々強いプレッシャーと闘っている。そのプレッシャーから解放してあげるのも、プロデューサーの大切な仕事」との考えを述べた。だがその一方で、「アーティストとスタッフが真剣にぶつかり合わないと、いいステージができない」とも述べ、ぶつかりあいの中で灰皿をぶつけられた経験なども明かした。

金子氏は音楽プロデューサーであると同時に、東急文化村(Bunkamura)などの劇場プロデューサーとしても活躍している。「心からアーティストのことを信じて仕事をすると、結果にかかわらず気持ちいい仕事ができ、人と人との心の触れあいが生まれる。劇場プロデュースもまごころを込めて仕事をすると、その劇場に暖かさを感じられるようになる。アーティストと建物と、全然違うけど全く同じです」。と人にも物にも同じように最大限の心を込めて仕事をしていることを語った。

最後に「プロデューサーに必要な力は何か」との問いを受け、「おいしいとかまずいとか、気持ちいいとか気持ちよくないとか、きれいだなぁとか。感じる心を失ったらプロデューサーの仕事はできない」と述べた。また、金子氏自身のキャッチフレーズとして、「ハーモニーとユーモアを大切に」と「ライオンの勇気(失敗を恐れちゃいけない。でも同じ失敗を2度しちゃいけない)」という2つの言葉を学生に贈ってくれた。

金子 洋明

「人と人との出会いから音楽が生まれる」

「世界中どこでも、言葉が通じなくても音楽で心が通じ合える」

「プロデューサーに教科書はない。ひらめきで仕事をするんだ」

「同じ失敗を二度するな。知ったかぶりをするな。人から教えてもらうことで成長するんだ」




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