JASRAC寄附講座 コンテンツ産業論2 コンテンツビジネスの現在と未来


11月27日

山本裕治 「カラオケの功罪」

「『カラオケ』という言葉は世界中どこでも通用する」。講師の山本氏がそう言うように、世界中至る所で「カラオケ」が楽しまれている。まさに日本が世界に発信した文化の代表がカラオケだ。そして、「日本のカラオケ参加人口は約50%。親しみやすいレジャーの代表」だと山本氏は言う。だが、常にカラオケ業界を牽引してきた第一興商の山本氏は、この日の講義タイトルを「カラオケの功罪」とした。

冒頭、山本氏はカラオケの誕生からその進化の歴史を詳しく教えてくれた。最初のカラオケには映像がなく、歌詞本を広げて歌っていたという。それがレーザーディスクの登場で映像が付き、歌詞の色が変わっていくので歌い出しがわかるようになった。そして、オートチェンジャーの開発、さらには通信カラオケの登場などでカラオケは加速度的に普及していった。こうした歴史を語る中で、「カラオケはメディアと共に進化してきた」と述べた。

有名な音楽プロデューサーが、あえてカラオケで歌うのが難しい曲を作ることで、ユーザーのチャレンジ精神を引き立たせるという話を耳にしたことがある。「カラオケに入ることで、曲が売れる」と山本氏も言う。ヒットした曲がカラオケで歌われるだけでなく、カラオケがヒット曲を生むという側面もあるようだ。

その一方で山本氏は「『カラオケを歌わしておけばいい』となったせいで、飲食店などでの接客能力が落ちた」と逆にコミュニケーション能力が低下した例も紹介した。また、「カラオケで歌われても、歌手やレコード会社にはお金が入らない」という問題を提示した。

最後に山本氏はカラオケで歌った曲をネットで歌のプロに送り、歌唱力を判定する歌唱検定や、さらにそれで全国大会を行うなどの構想を披露した。

山本裕治氏 写真

「カラオケが日本の音楽のレベルを上げた」

「提供側より、受け手が何を求めているか。それを的確に見抜くことが必要」

「カラオケはヒット曲のライブラリー。いつでも好きな曲を引き出せる」

「カラオケはコプロモーションツール」

「カラオケはコミュニケーションツール」

「カラオケは日本が輸出した文化」


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