2015年度 音楽関連団体共同寄附講座

エンタテインメント・ビジネス産業論

第7回 5月22日  once in a lifetime encounter

       ~貴方の人生を変えてしまうような出会い~

西山 勝(にしやま まさる)先生

  音楽家

 株式会社エフエム大阪 常務取締役

 プロフィール

1962年 京都生まれ

職業:音楽家 兼 Radioman(株式会社エフエム大阪 常務取締役)

趣味:世界中のワインを飲み干し世界中の旨いものを食べ尽くすこと、温泉で空想すること

 

小唄家元の孫として生まれ育ち、音楽に触れる。

 

オーストリアでクラシック音楽の作曲を学び、その後アメリカのポップミュージックの世界に傾倒する。

 

アメリカ音楽界に於いてはディズニーソング「美女と野獣」「アラジン」のテーマソングシンガーであるPeabo Brysonのアルバム「Unconditional Love」にProducer,Arrangerとして参加し、このアルバムが1999年の第42回グラミー賞にノミネートされた。

 

日本に於いては杏里、大黒摩季、倖田來未、林明日香、中西圭三、ゆず、THE BOOM、宮沢和史、石井竜也、米倉利紀、K、SEAMO、ほか多数のArtistのProducer,Orchestra Arrangerとして活動してきた。

 

また2000年頃よりオーケストラとポップを融合させたSymphonic Orchestra Sessionスタイルのコンサートを実施、自らもエモーショナルなコンダクターを勤める。

Peabo Bryson、Wendy Moten、Christina Aguirelaという世界的Artistに加え、中西圭三、杏里、平井堅、大黒摩季、倖田來未、林明日香、小柳ゆき、K、平原綾香、hiro、石井竜也、宮沢和史、伊藤由奈、青山テルマ、Crystal Kayほか多数の日本を代表するArtistが出演。

さらに2012年には東京ドームと大阪ドームにおいて行われた「ゆず15周年記念ライブ」にオーケストラを率いてマエストロとして出演、10万人のファンを涙と感動に包み込む成功を収めた。

 

ここ数年は活動のフィールドを中国にも広げ、中国のトップスターである解小東、陳琳、楊坤らのRecordingに作曲および、Producer,Arrangerとして参加。また、2004年秋に上海で行われた、陳琳、楊坤らのスタジアムコンサートにおいて、さらに2008年春には北京の公人体育館での楊坤のコンサートにも音楽監督として参加した。

 

さらに2008年から音楽を通じた社会貢献活動を提唱し、特に音楽の力で飲酒運転を撲滅するプロジェクトSDD(Stop Drunk Driving Project)を立ち上げ、毎年大阪城ホールでライブを行い自らもConductorとして出演。その活動は全国に広がっている。

 

代表作品は、日本TV系「週刊ストーリーランド」の初代テーマソング、 Peabo Bryson&Wendy MotenのDuetによる「My Gift Is You」。林明日香に提供した「道草」、呉汝俊(京胡とOrchestraの協奏による)に提供した「HERO」など。

 

Producer,Orchestra Arrangerとしては、長野オリンピックの公式イメージソング、杏里の「SHARE~瞳の中のヒーロー~」、ゆず「栄光

の架橋~Symphonic Orchestra Ver.~」、THEBOOM「島唄 ~Symphonic Orchestra Ver.~」など。

 

師であるDavid Fosterが提唱するSymphonic Orchestra Session(オーケストラとの高度なコラボレーション)による渾身のバラードを最も得意とする。

 講義概要

 音楽家としてシンフォニック・オーケストラのアレンジを手がける株式会社エフエム大阪常務取締役の西山勝氏が「once in a lifetime encounter~~貴方の人生を変えてしまうような出会い~~」と題して講義を行った。

講義前半ではまず、西山氏の人生を変えたいくつかの出会いについて話した。特にピーボ・ブライソンとの出会い、世界発売されるアルバムへの制作参加・グラミー賞へのノミネートは、R&Bの世界に日本人として一歩踏み出した瞬間でも有り、その後西山氏の人生における音楽との関わりを決定付けた。

 シンフォニック・オーケストラについても触れ、レコーディングされたCD・DVDの視聴が日常であるならば、ライブにいくことは非日常であり、その中でもオーケストラは特別な時間を提供する。アーティストとオーケストラがコラボレーションしたlife timeコンサートは、忘れることのない瞬間を提供する贅沢な時間であり、非日常体験の提供は今後も継続してゆくと強調した。

 ラジオの将来についても言及し、コマーシャル・メディアとしての役割の終焉が近づいていると持論を述べた。しかしながら、ラジオと音楽のコラボレーションにより聴衆者に語りかけることはでき、その方法の一つとしてSDD(STOP DRUNK DRIVE)プロジェクトを上げた。アーティストのメッセージをのせたスポットCMや1万人のライブイベントなど、車との親和性が高いラジオの役割が、産業としてラジオが生き残る道であると話した。

 変わりゆくメディアとしてのラジオの在り方や、ラジオ局へ就職するにはどうしたらいいのか等、事前に出された受講生からの質問にも丁寧に回答していただいた。

 講義課題として「貴方は人の人生を変えてしまうような瞬間を創造しますか、与えられるのを待ちますか」と問いかけ講義を終えた。受講生は、課題に対して様々な意見を上げ、また、エンタテインメント・ビジネスの根幹を学ぶ授業となった。

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