2015年度 音楽関連団体共同寄附講座

エンタテインメント・ビジネス産業論

第6回 11月6日

実践!すぐに役立つ

ビジネスコミュニケーション・スキル

堀口瑞予(ほりぐち・みずよ)先生

  COMMUNICATIONDesign 代表

 プロフィール

1987年 日本航空株式会社に入社

客室乗務員として約20年間に渡り国際線を乗務。

10万人近い旅客への接客とおよそ30か国での滞在を経験する。

 

 客室乗務員訓練部教官時代には、主にヨーロッパ、アジア基地の新人外国人乗務員の主任教官として、国際的な社員教育・指導に携わり、ヨーロッパ9カ国から集まった新人クラス担当では、最高の成績を残したクラスとして評価された実績を持つ。

 邦人契約社員の指導・育成部署、タイ人乗務員のサービス・インストラクターとしてグループ会社への出向等を経験し、在職期間のほとんどを「サービス」と「安全」の指導・育成分野で活躍する。

 退職後は国際線で培った経験を活かし、世界に通用する外見の磨き方、プレゼンテーション力、コミュニケーションスキルを向上させる総合的なイメージアップ・コンサルティングや講座を提供する一方、ビジネスマナーや、最先端のコミュニケーションスキルを取り入れた接客、販売、営業力向上を目的とした企業研修を全国で展開している。

 その実績は、都市銀行、生命保険、ハウジング、小売業、鉄鋼業、病院、訪問看護事業、医薬品関連、教職員教育関連、飲食業、ホテル・旅館業、空港内物販事業、大型商業施設関連事業など、多種の事業、業界においてリーダーから新人育成まで幅広い研修実績となっている。

また、日本コミュニケーション能力認定協会本部トレーナーとして、毎月東京・名古屋・大阪・福岡で開催されている資格認定講座「コミュニケーション能力2級認定講座」を担当し、学生から経営者まで様々な受講生のコミュニケーション能力向上をサポートしている。

 なお、2015年4月より、大学における生涯学習教育ビジネスカリキュラムの講座を新たに担当、キャリアアップ、起業、転職を目指す女性達を支援している。

 今秋からは、学生向け就活のためのビジネスマナーセミナーも担当する。

 講義概要

 長年航空会社の社員教育に携わり、現在はコミュニケーション・トレーナーとしても活躍するCOMMUNICATION Design代表の堀口瑞予氏が「実践!すぐに役立つ ビジネスコミュニケーション・スキル」と題して講義を行った。社会の中で基本となるコミュニケーションについて、実践も交えてお話しいただいた。

 講義ではまず、コミュニケーションは意思疎通と定義した。社会人になると価値観の異なる人とも共存し信頼関係を構築する必要がある。その際必要となるコミュニケーションスキルの実践として、アクティブ・リスニングを上げた。会話の中では、言語部分だけでなく非言語(表情、目線、態度など)部分が重要な要素となる。そのため、目線やあいづち・うなずきなど、自分が相手の話を傾聴していることを、態度で表すことについて説いた。また、相手と似た表情やしぐさをするラポール・スキル、相手の言葉を繰り返すバックトラッキング、語頭を否定から入らない「Yes、and~」方式も紹介した。人は自分の話を「聴いて」くれる人に信頼を寄せる。相手との距離を縮め、信頼関係の構築のためには、積極的な傾聴を行うことが重要である。

 言葉と行動のプロファイルであるLABプロファイルも紹介し、日常のコミュニケーションとビジネスコミュニケーションは同じものである。今から実践することで、社会に出たときに一歩抜きん出て、社会に貢献できると話した。

 講義課題として「今の日本人に一番必要なコミュニケーション能力は何だと思いますか。その理由は。その能力を得たら、どのような成果が得られますか、または何が改善されますか。」を提示した。受講生からは、傾聴や自分の気持ちを相手に示すなどの意見と共に、その結果として国際社会における日本の立場の向上や少数意見の汲み上げを上げた。また、講義を受け、今後の生活や就職活動に活かしたい、友人の聞く態度に不快な思いをした理由がわかったなどの意見が上がった。

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