2015年度 音楽関連団体共同寄附講座

エンタテインメント・ビジネス産業論

第7回 11月13日 プロダクションの事業展開

堀義貴(ほり・よしたか)先生

  株式会社ホリプロ 代表取締役社長

 プロフィール

1966年6月20日生まれ、東京都出身。

1989年成蹊大学法学部政治学科卒業後、株式会社ニッポン放送入社。編成部企画担当として数々のラジオドラマ・CM・イベントをプロデュース。

1993年株式会社ホリプロ入社。テレビ番組・映画・音楽の制作、宣伝、マネージメント等様々な部門を担当し、2002年代表取締役社長就任。

2013年より一般社団法人日本音楽事業者協会 会長も務める。

 講義概要

 日本を代表する芸能プロダクションである株式会社ホリプロ代表取締役社長の堀義貴氏が「プロダクションの事業展開」と題して講義を行った。人を財とする芸能プロダクションの役割と事業展開について、エンタテインメントの未来も踏まえ述べた。

 講義ではまず、日米のプロダクションの違いを紹介し、日本のプロダクションの役割を話した。プロダクションとは、魅力的な人間を発掘し、魅力を引き出し、魅力を伝え、利益を生み出し、複製や代替えがきかない人間を商品とする究極の限界産業である。

 プロダクションの未来として、今まで内地生産・内地消費だった日本のエンタテインメントを、海外に売り出す必要性を説いた。クール・ジャパンとして、アニメや日本食が世界に紹介される中、双方善しの日本的ビジネスでは世界の国々と戦うことは出来ない。グローバルでエンタテインメント産業を行うには、強気で利益を生む方法に日本のビジネスをシフトする必要がある。また、現在、東南アジアでは母国語以外に英語で会話できる国が増えている。人口増加と相まった、東南アジアのマーケットに活路を見出すには、英語でビジネスが出来る必要がある。

 老朽化などで国内の劇場が減少する一方、東南アジアでは劇場が増加しており、海外でのミュージカル公演にも力を入れている。日本で製作したミュージカルを海外で継続して公演することで、日本製作の作品の上演だけでなく、日本の作品を現地のスタッフ・キャストによって製作し上演することにも繋がっている。

 最後に、今後はビジネスにおける英語のやり取りが必須となってくる。英語に加えてもう一ヶ国語を話せることで、将来の働き方が変ってくると話し、講義を終えた。

 講義課題として「世界マーケットの中で、あなたはどう働きますか」を問うた。受講生からは、将来の働き方や就職希望の業種を見据えた働き方のほか、就職先でどう活躍するかなど具体的な意見も多く挙がった。

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