2015年度 音楽関連団体共同寄附講座

エンタテインメント・ビジネス産業論

第14回 1月8日 2016年のスーパースター

反畑誠一(たんばた・せいいち)先生

   音楽評論家

 

 プロフィール

上智大学文学部新聞学科卒。

女性誌副編集長を経て、1983年より音楽評論活動に専従。一般紙音楽コラム「ヒットの周辺」は現在も執筆中で(時事通信配信)、31年目になる。

ポピュラー音楽全般を視野に、メディアを主に執筆、コメント発信、出演等を継続している。

日本の音楽文化・産業に関する分析の第一人者。

この寄附講座には、2004年度より関わり、2006年度~2013年度まで、立命館大学客員教授として年間を通じて講座の運営・教育に従事した。

 

立命館大学客員教授、(一社)日本音楽著作権協会理事、日本レコード大賞常任実行委員、(一財)音楽産業・文化振興財団諮問委員

 

近著「ミック・ジャガーは保守主義者である!?(「正論」3月号)

 講義概要

 音楽評論家であり、音楽関連団体共同寄附講座の運営にも長年ご尽力いただいた反畑誠一氏が「2016年のスーパースター」と題して講義を行った。今後社会へ踏み出す受講生への激励が込められた講義となった。

 講義ではまず、受講生から質問のあった音楽評論家という仕事を紹介した。長年連載する音楽コラム「ヒットの周辺」の校正記事を見せ、定められた字数の中で感性に基づいた記事を書き、他者が知りえない情報を盛り込むこともあると話した。

講義テーマであるスーパースターとは、世界的規模で評価される人と定義し、フィギュアスケート選手の羽生結弦氏や作家の村上春樹氏を例にあげた。ドイツの歌手マレーネ・ディートリッヒの「リリー・マルレーン」を紹介し、第二次世界大戦中の戦場で流行しラジオの放送時間になると敵味方問わず耳を傾けたというエピソードは、国を越える「歌の力」を表す。

音楽とは時代感覚・時代性が重要である。自ら語ることの出来るようできるだけ新譜を聴きライブに出かけることは、ライフワークにもなっている。音楽を通じて冒険の旅をしており、様々な海外公演に同行したことは歴史の目撃者となった。観察力を養うことは、自分の記憶の中に留めることでもあると話した。

 最後に音楽関連団体共同寄附講座へ10年関わり、当時の受講生と仕事場で会うことが嬉しいと話し講義を終えた。講義課題として「あなたの中のスーパースター」を提示し、受講生からはアーティストのほか、スポーツ選手や両親など様々なスーパースターが上げられた。

第12回

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