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◆ 実施報告


1. 当日の様子

1.1 概 要

 当日は、「社会的諸問題に応える研究活動とは」をテーマに、パネル展示とワークショップの2つの企画を開催した。

 パネル展示は以学館のスチューデントラボにて開催。展示のメインは、アンケートへご回答頂いた19名からのアンケート結果である。修士課程(マスター)院生10名、博士課程(ドクター)の院生6名、その他社会学研究科や産業社会学部にゆかりのある方々3名の自分の仕事・研究に対する考えを展示。約80名の来場者からは、「普段何を考えているのかわからない院生の考えを知ることができた」「院生や研究って遠い存在のように思えていたけど、展示には共感する内容も多く、身近に感じられるようになった」「今回だけに限らず多様な形で研究発信をしていってほしい」などのコメントを頂いた。
 午後3時からは、同じ会場の奥のスペースでワークショップを開始。まずドクター院生5名が研究上の問題意識・目指していることを語り、その内容を受けて、発表者5名・聴講者23名を交え2グループにわかれて議論した。テーマが漠然としていたため参加者間で1つの共通した事柄について議論するのは難しかったものの、「社会的諸問題に応える研究活動」の目的、必要性、問題性などについて、各グループで活発な意見交換があった。最後は、各グループで出た意見を発表しあって解散。参加者の大半は解散後も会場に残り、議論を続けた。

 参加者からは、「もっと意見交換を続けたかった」「研究者を目指す人がどんなことを考えているのかわかって新鮮だった」「社会と学問の関係の難しさを感じた」「今回はテーマが大きくて議論がまとまるところまではいかなかったけれど、ぜひまたテーマをいくつか設定して企画してほしい」というコメントが多数寄せられた。ただ、企画上の都合により発表をした院生は全員、研究者を目指している院生になったこともあって、「研究者を目指す院生だけでなく、ほかの院生とも話してみたかった」「広く仕事という観点から研究活動を考える議論もしてみたかった」という意見も頂いた。

 

1.2 パネル展示・ワークショップの詳細

【ホームカミングデーでの実施意図】    ▼

 今回私たちはホームカミングデーという企画に、自主的に参加させていただくこととしました。私たち院生にとって、この機会は、校友の皆様をお帰りなさいとお迎えするにとどまらないものです。
私たちにとって、校友の方々は、社会の多様な構成員の窓口であると考えます。「研究活動を仕事とする人たちと、ほかの社会構成員の方々とがどのように連携・役割分担をして、お互いの活動を社会の誰かのために活かしていくことができるか。社会的諸課題に対してそれぞれどのように臨めるのか。」を考える機会としたいと考えています。

 自分たちと社会との関連を考え、自分のいる立場の特性を理解する。そして、社会的諸課題の解決に向けて、役割分担しつつ緩やかに連帯していく。これは、社会学研究科や、社会学研究科の設立基礎となっている産業社会学部のポテンシャルを、院生・学部生・教職員だけでなく、社会の他の構成員の皆さんにとって意味があるように活かすことになる、と考えます。社会学研究科院生の研究活動や産業社会学部生の学びが、学び手本人にとって意味をもつことにつながるでしょう。

 

【企画趣旨】    ▼

<問題意識>
 現在社会では、様々な問題が語られています。「なぜこんなことがおきるんだろう」「これではだめだ」「なんとかしなくては」。おのおのが今の社会に対して何かしら問題意識や期待をもっているのではないでしょうか。
 では社会的諸課題に対して、私たちはどのように接してどのように扱えばいいのでしょう。それぞれが自分たちのいる立場で、次世代に対してどんな仕事をしていけばよいのでしょうか。

 

<この企画で考えたいこと>
 上記のような問題意識のもと、今回私たちは、社会の他の構成員の方々とも共有できる「課題」として、「社会的諸課題に対してどのように取り組むか(次世代に向けて今どんな仕事をするか)」を考えました。
 そして、この課題に対して院生という立場から問いを掲げるために、企画テーマを「社会的諸課題に応える研究活動とは?」としました。社会的諸課題に応える研究活動とは何か、そのためには大学院あるいは研究者は独自にどのような工夫ができるか。また、他の社会構成員の方々とどのように連携できるか。社会の色々な立場で仕事をされている方々と、、ともに考えることができればと思います。
 これはすなわち、(現在生きている私たちが)今、次世代に向けて、どんな「仕事」をしていけばよいのか、という問いです。この問いは、私たち大学院で研究をしている人間に限らず、社会のほかの構成員の方々と共有できる問いではないかと考えます。また、研究社会の人間だけで考えておけばよい問いではなく、様々な立場の方とともに考え、各自の仕事に持ち帰っていくことが大切ではないかと思います。

 

【コラム】    ▼

<なぜ今、「今日の社会的諸課題に答える研究活動」について考える? >
 社会学研究科は、社会問題学部ともいわれる産業社会学部を基礎として設立されました。
 本研究科の特徴は、「現代社会に生起する諸問題に関して、社会学を中心としつつも、社会諸科学の協同によって、先端的で多面的・学際的な理論と実証的な研究を行う」という特徴にあります。この特徴は、特定の学問分野の論理でもって対象をとらえたり、単に学問世界への知見を増やしていくことだけを目的とするというものではありません。むしろ、現代社会に対する問題意識があって、そこから課題設定し追及していくという姿勢のものです。各自が自分の現代社会に対する違和感から設定した問題を、どのようにして論じるかを模索しています。そのために、社会学をはじめ、哲学・心理学・文化人類学・経済学・政治学といった様々な学問の方法を駆使します。
 このような「単に学術研究者の世界だけを貢献対象とするだけではなく、社会における念頭におき何かしらの社会貢献を目指す」という姿勢は、学問世界以外の立場の方たちとも、あるいは世代が異なる人たちとも共有できうるのではないでしょうか。社会学研究科院生は、自分が生活のなかでふと持った疑問を追及し、誰かに意味のある仕事をするための方法として、研究活動という手段を選んだといえるでしょう。

 

【社会的諸課題へ応えるとは?】    ▼

 社会的諸課題に対して、私たちは、どのように社会にアプローチし、応えていくことができるのか。これは、NPO、行政、大学、企業、家庭といった、各々のいる立場によって少しずつ異なるでしょう。

   ここでは、社会的諸課題に研究活動を通して応えようとしている人たち(院生、教員)と、研究以外の方法で応えようとしている人たち(校友の方々など)がどのように考え、アプローチしようとしているかをアンケートを通して紹介します。

【アンケート内容】    ▼

<質問項目>

・大学院・教職員対象
Q0:あなたは社会にどんな課題があると思いますか?
Q1:あなたの研究テーマは何ですか?
Q2:あなたはなぜその研究を行おうと思ったのですか?
Q3:現時点で研究を通して明らかにしたいことは何ですか?
Q4:問題意識へのアプローチ方法
Q5:あなたが研究によって応えたいと考えている社会的諸課題は何ですか?
Q6:あなたが考える「今日の社会的諸課題に応える研究活動」とはどんなものですか?
Q7:あなたの研究・研究活動を一言で表すと何ですか?

 

・校友などさんしゃにゆかりのある方々対象
Q1:あなたの職業は何ですか?現在どういったお仕事をされていますか?
Q2:あなたは社会にどんな課題があると思いますか?
Q3:その課題のうちで、あなたが自分の仕事や生き方を通して関わっている課題は何ですか?
Q4:その課題に対して、あなたは自分の仕事や生き方を通してどのように応えている、あるいは応えていきたいとお考えですか?
Q5:あなたが考える「今日の社会的諸課題に応える研究活動」とはどんなものですか?

 

【アンケート回答】   ▼

※準備中。10月中に更新予定。

【まとめ】    ▼

 以上の質問を通して、「今日の社会的諸課題に応える研究活動とは?」というテーマで、さまざまな立場の人々がどのように課題にアプローチしていっているのかを提示しました。
「社会的諸課題があるのにどのように取り組めばいいかわからない。どのようにすれば課題へのベストなアプローチになるのかがわからない。」そういった人は多く社会に存在しているかと思います(私たち院生も含め)。

 (今回のテーマは「社会的諸課題に応える研究活動とは」ですけれども、)しかし、実際社会的な課題に応える方法は「研究だけではないでしょう。(この企画にお越しくださった)皆様が、あらゆる立場から会的諸課題に自らアプローチしていくための第一歩として、パネル展およびワークショップが少しでも有意義な場になれば幸いです。

 

 

 

 

次回、10月中更新予定。  【実施報告に戻る】