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国際カンファレンス「絆と境目――正義と文化に関する新しいパースペクティブ――」


開催日:2010年3月18日(木)・19日(金)・20日(土)
開催場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム

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本カンファレンスの目的

文化や正義は社会的絆や境目を創造し、構築する。そしてそれらは限界も決定する。しかし、排除はもっぱら文化とのみ結びつく。いまやこの事実は広く認められている。文化が多元的であるということは分離をともない葛藤をもたらす。文化のそれとは対照的に、正義は普遍的なものであるとされてきた。正義は文化を分断するギャップをつなぐ共通の地盤を提供しうるのだ、という言説はこのような想定を前提としている。正義は普遍的なものであるという想定は、また、普遍性は単一性を前提とするという仮定と結合し、はたして、正義は、異なる文化の特殊性を損ねることなく普及しうるのか、という論議をも巻き起こしてきた。だが、このような文化の特殊性を正義の普遍性と対立させる問題の立て方は、次のような重要な事実を見逃させる。歴史的に、正義の側から語られる普遍性――どこでもいつでも――は、実のところ、何ものかに限定され、限界づけられ、制限されてきた。確かに正義はみなにとって同じものでありうるかもしれない、だが、「みな」とは文字通りすべての人を含むわけではない。正義の普遍性はつねに「領域的」なものだった。もし、文化が境界を生み、分離をもたらすものであるとしたら、文化の存在に応じて、正義もまた、境界をもち、排除することをまぬがれえないだろう。歴史は、この点に関してかたくなだった。またしても暴発する数多くの対立は、普遍性の観念それ自体から生ずるものではないとしても、少なくともそれが単なる偶発事項ではないということを示唆している。正義は、文化と同様に、境界をもたらす一方で、絆を構築する。まさしく正義と文化との相互関係の中から、限界そして調和が生み出されてきたのである。

われわれは文化がたえず変容し、境界がたえず入れ替わる世界に在る。技術的革新、経済的グローバリゼーションは、移住の拡大により社会関係を転換させてきたのみならず、個々の主体に関して、自分自身や他者、自分の文化や他者の文化と本人との関係を大きく変えてきた。アイデンティティ、ジェンダー、多文化主義は、これらの転換が、実のところ、正義の絆と境目を攪乱させるものでもあったことを証言する。本国際カンファレンス「絆と境目――正義と文化に関する新しいパースペクティブ――」の目的は正義と文化、社会的絆、そして境目の観点から正義と文化の進化しつつある関係を調査することにある。言い換えると今日のグローバル化した世界において文化と正義の絆と境目がどのように変化し、相互に作用しているのかを理解しようという試みである。

本カンファレンスは3日間開催され、合計20名の参加者(10名の講演者と10名のコメンテーター)で構成される。各講演者が45〜50分講演後コメンテーターによる10〜15分の応答があり、その後全ての参加者が参加できる30分のディスカッションが行われる。私たちは参加者間、そして観客とのディスカッションを奨励する。というのもカンファレンスを成功させるには継続的なディスカッションのダイナミクスが必要だからである。本カンファレンスでの使用言語は英語であるが、日本語でも質問は可能である。入場無料であるが、座席数限定のため、参加希望の方は事前参加申込をされることをお勧めする。


主催者

ポール・デュムシェル & 後藤玲子
dumouchp[at]ce.ritsumei.ac.jp([at]を@に変えてください)

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後藤玲子とポール・デュムシェルは立命館大学大学院先端総合学術研究科 (http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/) 教授で共編著にAgainst Injustice The New Economics of Amartya Sen (ケンブリッジ大学出版会 2009年)がある。また、後藤玲子はアマルティア・センとの共著で『福祉と正義』 (東京大学出版会 2008年)がある。

本カンファレンスは日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究B(課題番号19330120)「文化多元主義と社会的正義に関する研究」、立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点、立命館大学大学院先端総合学術研究科、立命館大学2009年度後期 研究の国際化推進プログラム「研究成果の国際的発信強化」からの助成に感謝する。

(文責:後藤玲子・片岡稔)


本カンファレンスのポスター

Research Project On Multiculturalism And Social Justice 「多文化主義と社会的正義」プロジェクト

本学PICK UP掲載


UP:20090729 REV:20090803 1210 1211 1214 1216 20100226 0414 0830
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/2009/20100318-j.htm

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