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  ベーシックインカム
Basic Income

■定義
 大まかには、「ベーシックインカムとは、個人ベースで、資力調査および就労要請なしに、すべての人に無条件であたえられる所得」(Basic Income Earth Network=BIENのHPより)とされますが、現代のベーシックインカム論壇では、従来の政策やプログラムに比して「無条件性」が強いように思えるものはほとんどが議論の対象となっています。むしろ、給付要件の緩和・制度上での個人主義化・市場優先といったいくつかの志向性こそがベーシックインカム論壇の通奏低音と言えるでしょう。
 BIに関する議論を整理したものとしてこれまでのところもっとも包括的な見取り図を提供しているFitzpatrick 1999(Freedom and security : an introduction to the basic income debate, New York : St. Martin's Press)は、BI的な政策が主張される際の政治的イデオロギーの相違に注目しました。その結果、リバタリアンによる負の所得税(NIT: Negative Income Tax)、福祉集合主義者による参加所得(PI: Participation Income)、社会主義者による社会配当(SD: Social Dividend)、エコロジストによるBIを含んだ親エコロジー的政策パッケージ、フェミニストによるBIを含んだジェンダー平等化政策パッケージ、という5類型のベーシックインカム構想を提示しました。また、Fitzpatrick [1999]では、これらイデオロギーによる区分以外にも、BIの水準によって、その社会での生存水準を満たす満額のBI(Full Basic Income)、それのみでは生存水準に満たない部分的BI(Partial BI)、制度移行期のBI(Transitional Basic Income)といった区分も出されました。さらに、Ackerman and Alstott 1999(The Stakeholder Society, New Haven, Conn. : Yale University Press)により、資産(asset)なのか所得(income)なのか――ベーシックインカム(BI)かベーシックキャピタル(BC)か――にも注目が集まりました。

詳しくは、「ベーシックインカムとは?に関する簡潔で十分な解説」をお読みください。
■「ベーシックインカムの利点」は一概には言えない
ベーシックインカム(BI)の利点とされるものは、様々な立場の人がそれぞれの観点(好み)に応じて各自好き勝手なことを主張します。。特定の政治的立場から様々なメリット(たとえば,エコロジストによる脱生産的生活の実現、であるとか、フェミニストによるジェンダー平等の達成、コミュニストによる社会的有用活動への諸個人の包摂など)が主張(僭称?)されているので、それらは相互に対立することもしばしばあります。ですから、BIが実行されるその経済の個別的状況や平行される諸他の制度・政策・プログラムを抜きにして一般的にBIの「利点」なるものを語ることはできません。
 ゆえに、BIにどのような可能性を見出すかは各人の現状認識と価値観しだいです(これまでどのようなBIの効果が期待されているかについてWikipediaである程度網羅的に言及されているのでそちらを参照されるとよいでしょう)。


■リンク
日本語

ベーシックインカム日本ネットワーク

ベーシックインカム・実現を探る会

ベーシック・インカム友の会

新党日本


英語

◆Basic Income Earth Network:BIEN(Basic Income European Networkより改称)
http://www.etes.ucl.ac.be/BIEN/Index.html
●BIEN小史 
●世界大会(World Congress):報 告ペーパーなど
●Basic Income Studies(BIS)
       :「ベーシックインカムおよび同種の政策に特化した初の学術ジャーナル」:全文入手可能
●BIENの傘下団体(内容の充実しているものに限定)
 ◆The U. S. Basic Income Guarantee Network(USBIG)
  http://www.usbig.net/
   ●ニュースレター
   ●ディスカッションペーパー
 ◆Universal Basic Income New Zealand(UBINZ)
  http://www.geocities.com/ubinz/
 ◆Basic Income/Canada (BI/C)
http://www3.sympatico.ca/francislerner/
◆Citizen's Income Trust(CIT)
http://www.citizensincome.org/index.shtml
:英国を中心のBI論壇;BIENとの連携も盛んだが,より政策志向の印象がある;英国の現行制度を前提に議論がなされているものが多い;年金政策の充実を突破口にしてBI(CI)的な制度を目指そうとしている。ニュースレター(The Citizen's Income Newsletter)も充実の内容。
◆Basic Income Grant Coalition   http://www.big.org.za/index.php?Itemid=1
:BI導入を目指す南アフリカのNPOであり、HIV対策などにも積極的に関与している。なお、南アのBI動向については牧野久美子氏の諸論稿に詳しい(『海外社会保障研究』の論文はウェブで入手可能です。)

■政党
◆ViVant(Belgium)
http://www.vivant.org/site/en/home/
◆the Green Party of Canada
http://www.greenparty.ca/
◆The Green Party of Engl and Wales
http://www.greenparty.org.uk/
◆De Groenen (The Netherlands)
http://www.degroenen.info/
◆The Scottish Green Party
http://www.scottishgreens.org.uk/site/1/Home.html
◆The New Zealand Democratic Party
http://www.democrats.org.nz/Policy/GuaranteedBasicIncomeGBI/tabid/87/Default.aspx

→「政党によるBIの扱い: 概要」(齊藤拓作成)

■その他参考
・Wikipedia
  ◇英語
  ◇日本語
Stanford Encclopeda of Philosophy

 :「ソーシャル・ミニマム」に関する詳細な記述。Van Parijs 1995(Real freedom for all: what (if anything) can justify capitalism?, Oxford University Press)によるBIの規範的な正当化がなされた「リベラルな平等主義」が現代の政治哲学においてどのような文脈に位置づけられるかがわかる。
国会会議録検索システム
 「ベーシックインカム」で検索すれば、結構いろんな人がいろんな角度で質問しているのがわかります。



英語文献

日本のBI論議(含、学術論文・書籍・雑誌記事・ウェブ記事)

作成:齊藤拓/立岩 真也  UP:2004 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/d/b03.htm  REV:20041102,1207 20060410 20090106
WHO 

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