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> HOME >DATABASE [Gender Identity Disorder(性同一性障害)関連] ◇吉野靫 20031223 「性同一性障害と生きる―性同一性障害特例法批判を中心に」 『Under Ground』第1号、立命館大学カルチュラル・スタディーズ研究会 「結局、この『特例法』の本質は、性同一性障害当事者を『男』と『女』に二分してマジョリティーに同化させようとするものであり、根本的な当事者救済に繋がるものとは言えない。これだけの多様性を持つ当事者を、一つの法律で括ろうすることに土台無理があるのだ。このままでは、この法律自体が性同一性障害当事者のプロトタイプを作り出すものになってしまうという可能性もある。もちろん、定められた要件を満たし、かつ明確な性自認を持つ当事者が、『特例法』によって望む戸籍を手に入れるのは喜ばしことである。しかし、この法律で排除されてしまった当事者(現時点ではわたしも含まれる)のために、『特例法』は三年後に必ず見直されねばならない。そのときは、民法や家族制度、保険制度の他にも、そもそも『男』・『女』とは何か、性別とは何かという根源的な問いにも目を向ける必要があるだろう。」(p.40) ◇佐倉智美 20060525 『性同一性障害の社会学』 現代書館 目次 巻頭エッセイ 太陽の塔は女か男か!?―まえがきにかえて 第1部 社会現象としてのトランスジェンダー はじめに 第1章 トランスジェンダーの現状 1 日本のトランスジェンダー略史 2 『30人のカミングアウト』から (1)分析の前に(2)結果一覧(3)結果要約(4)FtMとMtFに共通する特徴(5)FtMとMtFで異なる特徴 第2章 ジェンダー秩序・ジェンダー体制とトランスジェンダー 1 トランスジション以前における社会との不調和 2 トランスジション過程での社会との摩擦 3 トランスジション進行後の社会との齟齬 4 性的指向に属する問題と同性愛との差異点・共通点 第3章 トランスジェンダーをめぐる言説と疑問 1 「性は多様である」? (1)性の多様性の理解(2)多様であるなら性でなくてもよい 2 「トランスジェンダーは性同一性障害という病気」? (1)精神疾患としての性同一性障害(2)ジェンダー規範がトランスジェンダーを疾病概念に囲い込む 3 「トランスジェンダーはまちがった身体で生まれてきた」? (1)まちがっているのは性別二分の社会規範(2)女になる「ひと」は誰か(3)セックスもまたジェンダーである(4)女性にオチンチンがあってもよい(5)美容整形と性転換手術の間 4 「性自認はあらかじめ決まっている」? (1)後天的か先天的か(2)ホルモンバランスと心理状態(3)生物学的決定論もジェンダーに基づく解釈(4)性自認から性他人へ 5 「戸籍上の性別は,ぜひ変更されなければならない」? (1)特例法を福音とは限らず(2)変更すべきは戸籍ではない(3)変更しなくてもよい社会に 6 「トランスジェンダーは性別の越境者である」? (1)<境>があるから越境もある(2)<性同一性障害>は存在しない 第4章 トランスジェンダーから見えてくるジェンダー 1 パスの可否はなぜ重要か (1)バスはトランスジションの生命線(2)社会的実践と外見表示(3)<男>か<女>かの外見表示で所属カテゴリーも決まる(4)中性・両性の不可能性(5)外見表示だけが重要になる不条理(6)パスできる相手と,そうでない相手のちがい(7)男女別ジェンダーハビトゥスのディスコミュニケーション 2 FtMとMtFはどちらが得か (1)"男カテゴリー所属"による基礎的アドバンテージ(2)「人間=男観」のパラドックス(3)性別役割分業体制の社会通念(4)夫婦のジェンダー権力関係(5)ホモソーシャルの閉鎖性 3 <性同一性障害>にジェンダーとセクシュアリティの視点を おわりに―まとめにかえて 1 なりたい自分になるということ (1)メンズリブとトランスジェンダー(2)女子高生とトランスジェンダー(3)ブルセラマニアとトランスジェンダー 参考文献リスト 第2部 学際的トランスジェンダー考 「性同一性障害者性別特例法」に見る現代日本の"性の多様性"事情 「性同一性障害」は障害か?性の多様性の臨床社会学的考察 レイベリング論で考察する「性同一性障害」〜ジェンダー規範からの逸脱と精神疾患の間 幼児教育と学校ジェンダー問題〜「性同一性障害」は学校でつくられる!? 制度としての学校の中のセクシュアルマイノリティ〜学校歴社会と居場所のなさとの葛藤 「解釈改憲」のメディアリテラシー〜自衛隊イラク派遣の新聞報道分析から見る"戦争とジェンダー" 男女共同参画社会へのバックラッシュと性別二元制 家庭の多様性とヘテロセクシズムの壁〜非「標準世帯」の可能性を検討する 「性的指向は女性」とはどういうことか〜同性愛・異性愛の二元論をこえて トランスジェンダーと障害学〜「障害者用トイレ」からノーマライゼーションを考える 参考文献リスト 巻末エッセイ モリゾー・キッコロは女でも男でもなかった―あとがきにかえて [Trans Gender関連] ◇田中玲 20060301 『トランスジェンダー・フェミニズム』 インパクト出版会 第1章 なぜトランス・ジェンダーフェミニズムか 「女」というカテゴリー 「私が社会的・政治的にどのような場所に置かれているのか、それを指し示してくれたのは、フェミニズムだ。『私は本当は何者であるのか』という認識論の罠に陥ることなく、また、自分自身のあり方をただ肯定し正当化するのでもなく、どのような権力構造が私の内と外にはりめぐらされているのかを教えてくれたのは、『女性たち』であり、私と同じように性別が女/男のふたつに分けられることに疑問や違和感を持つ人々だった。」(p.14) なぜトランスジェンダー・フェミニズムか 「フェミニズムとは何か。私は今のフェミニズムのありように、トランスジェンダーが与えられる可能性を感じる。男女二分法の無意味さをトランスジェンダーは浮き彫りにする。性差別のない社会はあらゆる人にとって生きやすい社会であるはずである。そこから新しいフェミニズムをスタートさせることができるのではないか。私はそれを信じている。」(p.29) 女である、ということ フェミニズムとの新たな共闘へ 「本当に男女差別をなくすために、全てを戸籍・婚姻関係単位ではなく、個人単位の保障に変えること。戸籍制度と天皇制を廃止し、公的書類上の性別欄削除を基本に性別二元制を廃止すること。フェミニズムには、その可能性がある。」(p.44) 第2章 トランスジェンダーという選択 トランスジェンダーという選択―FTM(女性体から男性体へ)のライフスタイル トランスジェンダーとしてのカムアウト ポリガミーという生き方 パートナーの親に会いに、アメリカへ行く 第3章 「性同一性障害」を超えて、性別二元制を問い直す 「性同一性障害」を超えて、性別二元制を問い直す―『トランスジェンダリズム宣言』 「その内容(「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」―引用者補足)は数年前からトランスジェンダー・コミュニティで議論の的であった神戸学院大学法学部教授・大島俊之素案の三要件(一、「性同一性障害」と診断されている。二、性別適合手術を済ませている。三、届出時点で未婚である。『性同一性障害と法』(日本評論社)参照)よりはるかにひどい。今回の法律は、『フツウの女』『フツウの男』になって生活したいと願う『埋没系』の『性同一性障害者』を既存のシステムに取り込んで戸籍制度の維持強化をはかり、そこにおさまらない人々を退けるばかりか、当事者間に分断を持ち込み、さらなる差別を生み出す装置となりかねないものである。」(p.83) 性同一性障害の性別の取扱いの特例に関する法律をめぐって 典型的なFTMトランスセクシュアルの個人史―虎井まさ衛『女から男になったワタシ』 正規ルートの診療とは 第4章 多様な性を生きる すべての言葉を貫く「私」という通底音―掛札悠子『「レズビアン」である、ということ』 炸裂する過激な愛―パット・カリフィア『パブリック・セックス』 あなたが本当にジェンダーから自由になりたいのなら―パトリック・カリフィア『セックス・チェンジズ』 パートナーシップとは何か―『同性パートナー 同性婚・DP法を知るために』 多様な性を生きる人たちとDV 「付け加えると、ドメスティック・バイオレンスの当事者は、過去にも子ども虐待や性暴力、セクシュアル・ハラスメント、バッシング、いじめなど暴力の被害体験や加害体験を持っている可能性がある。心の回復のためには、それぞれの複雑な体験を総合的に批判されずに話せる安全な場が必要である。一人の人間の中には、たくさんの体験が重なり合っている。サポート側のスタッフはできるだけあらゆる可能性を考えながら対応を心掛けることが望ましい。」(p.146) セクシュアリティを考える拠点に―クィアと女性のための新たな共闘の場の提案 あとがき 「この本は、『普通の』性同一性障害についての本ではない。私は情報収集のため、GID研究会には行くが、自分のことを性同一性障害とは決して言わない。私に、もしレッテルを貼るなら、トランスジェンダー(性別越境者)というカテゴリーしかない。」(p.155) 初出一覧 用語解説+おすすめWEB ◇GSP(Gender Sexuality Project) ◇ヨシノ支援プロジェクト ◇女性 ◇差別論 作成:山本崇記(立命館大学先端総合学術研究科) UP:20070227 Rev:20070303 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/d/sex.htm |