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『大転換――市場社会の形成と崩壊』

Polanyi, Karl 1957 The Great Tranformation: The Political and Economic Origins of Our Time, Beacon Press
=19750405 吉沢英成・野口建彦・長尾史郎・杉村芳美 訳,東洋経済新報社,15+427+20p. 3200



<目次>

・著者序言

・序文 R・M・マッキーバー

第一部 国際システム

 第1章 平和の一〇〇年

 第2章 保守の二〇年代、革命の三〇年代

第二部 市場経済の興亡

T 悪魔のひき臼

 第3章 「居住か進歩か」

 第4章 社会と経済システム

 第5章 市場パターンの進化

 第6章 自己調整的市場と擬制商品―― 労働、土地、貨幣

 第7章 スピーナムランド―― 一七九五年

 第8章 スピーナムランド法以前と以後

 第9章 貧民とユートピア

 第10章 社会の発見と政治経済学

U 社会の自己防衛

 第11章 人間、自然、生産組織

 第12章 自由主義的教義の誕生

 第13章 自由主義的教義の誕生(続)―― 階級利害と社会変化

 第14章 市場と人間

 第15章 市場と自然

 第16章 市場と生産組織

 第17章 そこなわれた自己調整機能

 第18章 崩壊への緊張

第三部 トランスフォーメーションの進行

 第19章 大衆政治と市場経済

 第20章 社会変化の始動

 第21章 複合社会における自由

・原典に関する注解

 Tバランス・オブ・パワー―― 政策、歴史法則、原理、システムとして

 U平和の一〇〇年

 V断ち切られた黄金の糸

 W第一次大戦後の振子の揺れ

 X金融と平和

 Y「社会と経済システム」への文献ノート抜粋

 Z「市場パターンの進化」への文献ノート抜粋

 [スピーナムランドについての文献

 \スピーナムランドとウィーン

 ]ホイットブレッド法案も悪くない

 11ディズレーリの「二つの国民」と有色人種問題

 12補注・救貧法と労働の組織

・訳者あとがき

・事項索引

・人名索引


<ポラニーの年譜や文献目録が読めるサイト>
http://member.nifty.ne.jp/thinkers/

<ポイントとメモ>

☆本書の見取り図

行動原理 ←相互に調整→ 制度的パターン    制度      社会組織

互恵            対象性               血縁的組織(家族、血族)
再配分           中心性               地縁的性格(首長の下にある人々全て)
家政            自給自足              閉鎖集団(血縁、地縁、何でもよい)
交換(交易)        市場パターン    市場 ( アクター多数:資本の発展段階に応じて変化)



・市場パターン(交換動機と関係)→市場(単一の特殊機能のための制度)→経済システムを統制(市場経済)→社会システムの変形(市場社会)

・市場経済:諸々の市場からなるひとつの自己調整的システム(p57)


諸々の市場→自己調整的市場
     ↑
    機械(商業から工業へのシフト)
    国家の干渉


・「市場ないし貨幣の存否は未開社会の経済システムに必ずしも影響を及ぼさない」(p77)
←市場は経済の内部でではなく、もっぱらその外部で機能する制度。市場は遠隔地取引の会合する場所(p78)

・経済の内部組織とは無関係の外部的領域に取引の起源を求めている〜取引の起源:遠方からの財の獲得

☆古典派とポラニーの相違点

古典派:個々人の交換性向→局地的市場、分業→交易→遠隔地取引、外国貿易

ポラニー:財の地理的偏在→分業→遠隔地取引(非競争的)→市場(制度)→交換(売買)行為→交換性向(必然ではない)

・市場

対外市場・・・対外取引:かの地域に何らかのタイプの財が存在しない(競争を伴わない)

局地的市場・・・局地的取引:輸送に耐えられない(競争を伴わない)

国内市場・・・国内取引:同種の財が異なる源から他害に競争しつつ供給されるという交換を多く含む(競争的)

・商業革命→集権国家→国家の干渉(重商主義)→国内取引の出現→国内市場の出現〜(ある程度までは競争的だが)統制下にあった

●メモ

・「意図と同様、関心というものは、それらがなんらかの社会的な手段を通して政策に反映されないかぎり、必ずやプラトニックなものにとどまるものである。」(p9)

・「寛容にたいする報酬は、社会的名声の尺度で計れば非常に大きいものなので、まったくの献身的行為以外はいかなる行為も全然ひきあわなくなるほどである。個人の性質はこのことにはほとんど関係してこない。人間は、価値体系の種類にかかわりなく、善良であったり邪悪であったり、社会的であったり利己的であったり、嫉妬深かったり寛容であったりすることがありうる。」(p62)

・「だがこうした行動原理は、それが実際に機能するための制度的パターンが存在しなければ、有効とはなりえない。」(p64)

・「対称性と中心性は、互恵と再分配の必要に答えようとするだろう。制度的パターンと行動原理は相互に調整されあうのだ。社会組織が常軌を逸しないかぎり、個人的な経済動機の出る幕はなく、個々人の怠惰を心配する必要もない。分業は自動的に保証されようし、諸々の経済的義務は滞りなく果たされるであろう。」(p65)

・アリストテレスの家政と貨殖の区別

〜本来の家政の本質は、利益のための精算に対置される使用のための生産であると強調

〜「利得とは市場に向けての生産に固有の動機であり、貨幣要因は事態に新しい要素を導入はしたけれども、それでもなお、市場や貨幣が付属物にすぎずそれ以外の点では自給自足的な家計である限り、使用のための生産という原理は作用しうるのだ」(p71)

・「すなわち、これはほかならぬ社会が市場の付属物として動くということを意味している。経済が社会的諸関係の内に埋め込まれるのではなく、社会的諸関係が経済システムの内に埋め込まれるのである。」(p76)

・「アメリカ憲法は、農夫・職人的環境のなかで、イギリスの産業的光景から事前に警告を受けた指導層によって作成されたものだが、それは経済領域を憲法の支配から完全に隔離し、それによって私有財産をこれ以上考えられないような保護のもとにおき、世界で唯一の法的基礎をもつ、市場社会を創出したのである。」(p302)

・「社会主義とは、自己調整的市場を意識的に民主主義に従属させることによってこれを乗り越えようとする産業文明に本来内在する傾向」(p312)

・機能しなくなった市場社会→社会主義、ファシズム、ニューディール


作成:小林勇人 UP:20030803 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1950/5700pk.htm
BIBLIO.  ◇WHO 

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