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Walker, Robert, 199108, Thinking about Workfare: Evidence from the USA, London: HMSO.


Walker, Robert, 199108, Thinking about Workfare: Evidence from the USA, London: HMSO. (SPRU Papers. Social Policy Research Unit, University of York) 8+70p ISBN-10: 0117016160 [amazon]



■Contents

List of Tables

1. Introduction

2. The American Context
The Meaning of Welfare
Trends in Welfare
 The Expansion of AFDC / Female Employment Trends / The Contraction of Welfare
Attitudes to Welfare
 The Bases of Consensus / Racism
Instituitional Arrangements
The Foundations of Workfare

3. American Workfare
Wrok Incentive Program (WIN)
General Assistance Schemes
Food Stamp Workfare
The Family Support Act 1988

4. The Experience of Workfare
Workfa-Welfare Not Workfare
Alternatives to Workfare
Diversity of Practice
Why no Workfare?

5. Evaluating Work-Welfare Measures
San Diego
Cook Conunty, Illinois
West Virginia
Food Stamp Workfare
Other Work-Welfare Programmes

6. Lessons form the USA
Reflections on the American Experience of Workfare
Learning from the American Experience
 Monitoring and Evaluation / Targeting Assistance / Lone Parents / Workfare as Ideology

Glossary
Annex: Official Definition of Poverty
References
Index



■メモ

[裏表紙]

「諸政策がある国から別の国へ容易に移植できることはめったにない。諸政策がでっちあげられる文脈に注意することによってのみ、移植を妨げる可能性が高い特徴とそうではない特徴を区別することができるのだ。」


2. The American Context
The Foundations of Workfare
「ワークフェアの強制的な給付金のための就労(work-for-benefit)モデルは、保守的なアメリカの政治家たちのレトリックにおける大きな特徴であり、イギリスのメディアの注目を引き付けてきたものであるが、それはアメリカで試され成果に様々な程度があった就労−福祉スキームの数あるうちのひとつに過ぎないのである。」(14)

4. The Experience of Workfare
Alternatives to Workfare
「仮にワークフェアがアメリカの就労−福祉プログラムの主要な要素でないならば、実施されたスキームの主要な特徴は何であったのか?」(23)
GAOによる就労−福祉プログラムの4つのカテゴリー(GAO 1987)。
GAO, 1987, Work and Welfare: Current AFDC Work Programs and Implications for Federal Policy. Washington: US General Accounting Office.

Why no Workfare?
就労−福祉スキームを特徴付けるものには、無数のローカルなヴァリエーションがある。「にもかかわらず、政治家が口にしないならばワークフェアは現場でその希少性によって特徴付けらる。そして、なぜこれがそうなるべきなのか、また求職活動の強調が付随することを何が説明するのか、を問う必要がある。」(28)
@より権威主義的な形態のワークフェアに対する支援が相対的に弱い。その理由は、Mead (1988)やAaron (1973)など。
A財政的な理由。
B「成果」に対する地方性の政治的強調。言い換えれば経営報酬システム。
C求職プログラムの普及は、プログラムが様々な機能を果たし得ることの反映。

5. Evaluating Work-Welfare Measures
アメリカにはシステマティックな政策評価の長い伝統がある。アメリカの就労−福祉プログラムの評価の基盤は、MDRCによって測定される一連の立証スキーム。(31)

6. Lessons form the USA
Reflections on the American Experience of Workfare
結論
@「給付金のための就労(working-for-benefit)という純粋な意味でのワークフェアは、上述した理由から稀である。しかしながらそのワークフェアが存在するところでは、強制的な要素を強化することは可能であるように思われる。就労プログラムへの参加者の大多数は、ワークフェアに内在する社会契約の本質を受容しているように思われる。もっとも大半の者は使用者がそのシステムから多くを得るのだと意見するのだが。さらに必然的なことだが、ワークフェアが実施されてきたのはもっとも政治的かつ社会的に受容可能な場所である。ワークフェアの伝統がない州が1988年の家族支援法で設置された実施目標を満たすことができるかどうか、また限定的な実施という経験が一般化可能であると証明されるかどうか、は課題である。現在多くの新しい実証プロジェクトがMDRCによって評価されているところだ。」(47)
★A「だが給付金の受領における小額の削減は、大規模なプログラム全体で合計される時、スキームを政治的に魅惑的なものにする極めて大きく広域の削減を、もたらし得るのだ。しかしながら、この場合もやはり、ワークフェアがもたらす納税者への見返りは、就労−福祉プログラムの他の形態と比べてより大きくはない。ワークフェアの正当化は一連の道徳的価値に由来するのであって、財政的便宜によって生じるのではない。」(47)
B
C
D
E「ワークフェアが労働需要を高める対策の代わりにならないことは明白である。・・・。就労経験を得ることによってワークフェア参加者もまた、勤労倫理への関与が最も重要である社会において、社会的地位を得るかもしれない。>>48>>労働需要が強くない場所でさえ、<<49<<それでもなおワークフェアにおける雇用は個人的な尊重[personal esteem]を高めるかもしれない。ワークフェアができないこと――そしてアメリカでも一般的に期待されていないこと――は、雇用総数の増加である。」(48-9)

Learning from the American Experience
★ワークフェアはイギリスでは実施されてこなかった。しかし、アメリカの経験がイギリスと関係ないわけではない。「純粋な」形態でのワークフェアはアメリカでも稀である。「その代わりに、様々な就労−福祉対策が実施されてきたが、それらは様々な程度において強制的である。もっとも普及しているサービスは、求職や直接的な就労斡旋の支援であり、・・・。課される制裁は、[受給権が]消滅する前の期間における給付金の一定の割合の削減である。それ故、アメリカのワークフェアの実態は一連の諸サービスや諸義務であり、それらはイギリスですでに利用できる諸サービスや諸義務にとても良く似ている。連邦構造によって可能となる、非常に多様なアメリカの実践は政策パッケージを含むが、それらは将来の展開のためのモデルを構成する諸例と同様イギリスで試され欠けていると考えられたパッケージと事実上一致する。」(49)

★「いくつかの観点で、雇用政策と社会保障政策の現在の組み合わせは、さらにイギリスをアメリカの多くの州よりもワークフェアに<向かった>道に置いている。」(49)
1989年社会保障法
新しい雇用サービスのブックレット'Helping You Back to Work' (Loy, 1990, p401)
Loy, A., 1990, "Heloping the Unemployed Back to Work," Employment Gazette, May, pp400-2.
「訓練と給付金の管理に対する責任は、1970年代の半ばに分離されたが、雇用サービスの形成のなかで、再統合されてきた。(EG, 1990)」
EG, 1990, "Next Steps into the Future," Employment Gazette, May, p237.

★「アメリカにおいてローカルで実験されてきたスキームの多くがイギリスにおいては全国的に利用できる。」(49)
英米の差異
@「アメリカでは、正確には州と郡のレベルにおいて、公的扶助[public assistance]を就労努力に関連させる長い歴史があるが、イギリスではそうではない。」
cf国民保険によって、交換に基づく社会契約を、ニードの証明に基づく権利とエンタイトルメントのシステムに置き換えてきた。
Aターゲット:公的扶助を受給するシングルマザー ⇔ 失業中の男性や若年単身者。

Monitoring and Evaluation
「評価基準>>51>>は、労働力の技術基盤を発展させることや、給付金に対する依存を減らすことや、他の方法によってプログラム参加者の福祉[well-being]を高めることよりも即座の就労斡旋という政策目標に一致する。」(51-52)
さらに、既に雇用可能性の高い参加者にスタッフの焦点が当てられるようなインセンティブ構造。

Targeting Assistance
★アメリカとイギリスの相互参照
アメリカ:就労−福祉対策から多くを得る者とは、技術が最低水準の者。
=イギリス:「もっとも技術のない者が失業する傾向が高く、長期間病気をする可能性が高いという十分な証拠がある。(Garman and Redland 1990; Erens and Hedges 1990」(53)
Garman A. and G. Redland, 1990, "The Changing Characteristics of Unemployed Men," Employment Gazatte, Septempber, p470-4.
Erens, B and B. Hedges, 1990, Survery of Incomes In and Out of Work, London: Social and Community Planning Research.

アメリカ「もっとも困難な問題を抱えた個人を同定し、個人化された行動計画を展開する際に注意深くサービスとニーズを適合させ、合意によるプランを通して進展を監視するメカニズム」の推進。「これはイギリスの雇用省によって1990年4月に公表された戦略と厳密に一致する(Loy 1990)。同様に、近年のアメリカの補習教育(remedial education)」は、リスタート(Restart)のコースが基礎的な読み書き能力や計算能力を欠いている人々に焦点をあてることによって模倣される(Tudor 1990)。」
Loy, A., 1990, "Heloping the Unemployed Back to Work," Employment Gazette, May, pp400-2.

★イギリスのプログラム(the Employment Training scheme: ET, The Youth Training Scheme: YT)がアメリカのプログラム(the Job Training Partnership Act, early 1980s)の失敗を繰り返すかもしれないという危惧 ⇔ イギリスのプログラムがアメリカの懐疑派(eg Novak 1987)に対する証拠として有効である。
→ETやYTが未熟練労働者のために労働市場にどれほどの影響を及ぼすか、他のワークフェア批判の危惧がどれくらいあるか、は議論の余地がある。
Novak, M., 1987, "Spending the Right Signal," Public Interest, 89: 26-30.

Lone Parents
アメリカのターゲットは一人親世帯なのだから、イギリスがこの領域で議論の参照にするのは適切。

Workfare as Ideology
「ワークフェアが普及しない重要で実践的な理由は、[ワークフェアの]実施は制裁による強制を必要とするからだ。」(55)しかし、政策立案者やプグラム管理者が経験から得られるのは、クライアントが必要とするのは働くための機会であって制裁ではない、ということだ。
Action credit:イギリスの規定がワークフェアになってきた形態のなかでおそらく最も近い。だが「自発的」。これは、雇用省による暗黙の受諾:「強制的なワークフェアは、アメリカで一般的に明らかにされてきたのと同様に、イギリスでは非現実的であると判明する可能性が高い。」(56)
「アメリカの国民の大半は、福祉受給者が生活のために働くのを目にするのを好むが、論理と感情は個人個人が給付金のためにとういうよりも賃金のために働くことを要請する。おそらく、ワークフェアがイギリスで暫定的にしか進展してこなかった理由は、政治家たちが、ワークフェアにイデオロギー的に魅了された人々も、イギリス国民は同様の方法で反応すると判断するからである。」(56)


製作:小林勇人(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
UP:20070428 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1990/9108wr.htm
◇ワークフェアの普及http://www.ritsumei.ac.jp/~ps010988/spread.htm
 

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