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Martin, Ron, Corinne Nativel and Peter Sunley, 20060105, Putting Workfare In Place: Local Labour Markets and the New Deal, Malden, MA, Oxford and Carlton, Victoria: Blackwell Publishers.


Martin, Ron, Corinne Nativel and Peter Sunley, 20060105, Putting Workfare In Place: Local Labour Markets and the New Deal, Malden, MA, Oxford and Carlton, Victoria: Blackwell Publishers. p12+241 [Amazon]


■Contents

Series Editors' Preface
Preface
List of Tables
List of Figures

1. Locating the New Deal

Reforming Welfare and Redrawing Responsibility
Activating Labour Market Policy
Introducing the New Deals
Inadmissible Evidence? Geography and the New Deal
Aims and Approach

2. The Geographies of Worklessness

Introduction
The Unemployment Problem
The Geographies of Worklessness
The Policy Challenge

3. Local Disparities in the Performance of Welfare-to-Work

Introduction: Residual Pockets and the Geography of New Deal
Mapping New Deal Outcomes
Local Labour Market Flows
Local Dispartities in Other New Deals
Conclusions

Appendix
New Deal Units of Delivery
Job Centre Plus Districts
New Deal for Young People core performance measures and key indicators
Local programme delivery/management models

4. Welfare-to-Work in Local Context

Introduction: Employability and Local Context
Low Employability in Buoyant Labour Markets
New Deals in Big Cities: Job Search and High Volumes
Expectation Gaps and Job Quality
Workfare Recycling in Depressed Local Labour Markets
Moves to Inactivity
Conclusions

5. A Geography of Mismatch? Employers, Jobs amd Training

Introducing Gatekeepers' Tales
Variations in Job Opportunities and Recruitment
A Pool of 'Cheap Labour'?
The Role of the Job Subsidy
Traininig Provision under the NDYP
A Typology of Employer Participation
Conclusions

6. Localising Welfare-to-Work?

Local Flexibility and the New Deal for Young People
Partnership-Building and Co-ordination
Policy Learning and Adaptation
Innovation and Experimentation
Resource Targeting
Work-First Flexibility?
Conclusions

7. Conclusions

The New Deal Policy Paradigm
Geographical 'Anomalies' in the Performance of the New Deal
Increasing Local Opportunities
A Final Note on Geography and Workfare

Notes
Bibliography
Index




■メモ

「個人の就労能力を高めることに焦点を置く供給サイドの積極的な労働市場政策が限界であり不安定であるのが最も顕著になるのは、困窮した地域の労働においてである。そこでは、報酬の良い安定した雇用の機会を見つけるチャンスは少ない。本書は、この発見が、失業状態にある個人と国家の新しい契約という観念に対して持つ含意を論じる。」(viii)
1. Locating the New Deal

◆Reforming Welfare and Redrawing Responsibility

・ヨーロッパに共通する福祉供給の2つの傾向(p2)
@「残余化(residualisation)」:エンタイトルメントを狭め、社会支援を標的にすることを含む。民間の福祉供給を通して自己責任を奨励することに向かう。
A「市民の義務(citizenship obligations)」:義務の履行に基づく福祉権の条件化、義務のなかで最も重要なのが、ペイドワークを行おうとする意欲を持つこと。

・Lister,R., 2002, Citizenship and Changing Welfare Statesの説明:(p2)
この新しい条件制限は、いくつかの思想の潮流の合流点を反映している。そこには再主張されるプロテスタントの勤労倫理と、ペイドワークを社会包摂と十分な市民権への鍵となる手段としてみなす社会排除の言説が含まれる。また英語圏の国でそれは、ある程度まで強力なネオリベラルとコミュニタリアンによる福祉支援の結果に対する批判による帰結である。

・Dacon, A., 2002, Perspectives on Welfare: Ideas, Ideologies and Welfare Debates ここ数十年の福祉に関する議論:新たな道徳主義(p2-3)
→自己責任や市民の義務を弱体させる官僚的な福祉供給を批判
@「権威主義(authoritarianism)」Murray, 1984, Losing Ground
:ペイドワークの水準を低下させることや家族の崩壊と福祉に依存するアンダークラスの生産を奨励するという道理に反するインセンティブを生み出す福祉国家を非難。
A「ニューパターナリズム(New Paternalism)」Mead, L., 1997, Froem Welfare to Work: Lessons from America
B「応答的コミュニタリアニズム(Responsive Communitarianism)」
:近代産業社会における個人はあまりにも原子化され社会的応答とコミットメントの見解を失ってしまった cf Etzioni, A., 1999, The New Golden Rule: Community and Morality in a Democratic Society

・保守主義やコミュニタリアニズムだけではなく、リベラルな平等主義的哲学者も、社会的な民主主義の再構築の議論において、自己責任を奨励する手段をとる必要があることを受け入れた。(p3-4)
Dworkin,, R., 2000, Soveregin virtue: The Theory and Practice of Equality. :
社会正義に関するドゥオーキン理論の第一原理は、全ての市民に関して等しいが、第二原理は「特別な責任(special responsibility)」である。つまり、個人的な人生の成功に関して個人は財政的な責任を持つ、というものである。・・・。集合的・個人的責任の組み合わせが、政治的な「第三の道」の基盤を表象する。
Giddens, A., 1998, The Third Way: The Renewal of Social Democracy, 2002, The Third way and its Critics :
「責任のない権利はない」
「そある形態の福祉供給が依存の文化を生み出すというより、人々は提供される機会の合理的な利点を受け取るのだ。たとえば、失業に対抗するための給付金は、それらが労働市場からのシェルターとして積極的に用いられるならば、実際には失業を作り出しているのだ。」(Giddens, A., 1998)

★以上の議論は、大きく異なる含意や欠点を持つが、「旧左翼」の典型的なアプローチとともにある平等主義的な福祉理論を批判する点で一致している。 → アメリカのクリントンの福祉改革の方向に強く影響を与え、イギリスの労働党の福祉改革を導いた。集合的な責任と個人の責任の境界線を引き直したいという欲望が、それらの改革の主な動機のひとつである。その動機の根底に、福祉国家の本質と運用を再構成するための主要メカニズムとして積極的労働市場政策の流行の増大がある。(p4)

◆Activating Labour Market Policy(ALMP)

・今まで完全に無条件な給付制度がなかったように、積極的労働市場政策と消極的労働市場政策の区分はしばしば曖昧である。ALMPは、供給サイド(訓練や強制的なウェルフェア・トゥー・ワーク[welfare-to-work: WTW])と需要サイド(雇用創出、保証された仕事の提供)の両方に及ぶ。(p4)

・ALMPの普及は、失業について制度的な理論が関係している。ヨーロッパの福祉国家は供給制度に問題がある。ケインズのマクロな需要サイドの政策は失業者に寄与しない・・・。この構造的制度的/供給サイドの解釈が、ひとつの政策パラダイムへと融合し、政策立案者が労働市場の問題を理解することを導き制約してきた。
Layard, R. and Nickell, S. and Jackman, R., 1991, Unemployment: Macreeconomic Pereformance and the Labour Market :OECD諸国の失業を評価。強い影響力を持つ。(p4-5)

★さまざまなタイプのALMPの効果についての統計的な証拠は、上述の議論が主張するものよりも複雑で曖昧であり、そのような手段が高い雇用成長率をうみだす事例は弱いことが発見された(Calmfors, L. and Skedinger,P., 1995, Does Active Labour Market Policy Increase Employment? Theoretical Considerations and Some Empirical Evidence from Sweden, Oxford Review of Economic Policy, 11(1): 91-109) (p6)

・政治的なレトリックが「積極的」な施策と「消極的」な施策を正反対のものとして構築する。・・・。ALMPとWTWに対する政治的な熱意が、明確な実証的な成果をしのいだのは、それらが失業に対する供給サイドの解釈と共鳴し、自己責任と労働義務を回復させる必要性が強調されたからなのだ。ドイツとスウェーデンの証拠が示すように、積極的な施策は雇用を生み出すことができないかもしれないのに、にもかかわらず、ALMPとWTWは長期失業者の技術と動機と勤労意欲を維持する際に有益な役割を担う。(p6)

・戦後期に積極的労働政策は自由主義のレジームでは忌み嫌われたが、1980年代後半から、「働く市民(worker citizens)」の構築の必要性を政治的に強調する文脈で、自由主義のレジームは特殊な形態のALMPを受け入れた。それが、「ウェルフェア・トゥー・ワーク(welfare-to-work)」であり「ワークフェア(workfare)」である。(p7)

★ワークフェアについて
第一に、社会支援を雇用業績を条件とするものにすること
(Solow, R. M., 1998, Work and Welfare, Princeton: Princeton University Press.)
特に、受給者が一般的市場賃金以下の率で、給付金のために労働させられるという構想を参照するために用いられうる。
(Gray, A., 2004, Unsocial Europe: Social Protection or Flexploitation?, London: Pluto Press.)
現在は広い意味で用いられている(Peck, 2001, 84)
・「ワークフェア主義(workfarism)」:給付金の受給者に、低賃金でフレキシブルで不安定な職を条件付け、強制することを意図する規制制度であり、したがってそれは臨時雇いの労働供給を供給し賃金圧力を低下させ雇用成長を促進するのだ。
(Peck and Theodore, 2000, 'Work First': Workfare and the Regulation of Contingent Labour Markets, Cambridge Journal of Economics, 24: 119-38. , 2000, Beyond 'Employability', Cambridge Journal of Economics, 729-49)
★「この広義の意味において、低賃労働者への税控除もワークフェア主義の核として理解しうる。なぜならそれらは受給者が給付金から脱して低賃雇用へと向かうためのインセンティブを増加するからだ。」
・ワークフェアによって、「福祉依存」に対応することが意図されているが、また「義務的な諸活動を受給条件とすることによって、明らかに個々人が社会支援を求めることを阻止することも意図されている。」(p7)



製作:小林勇人(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
UP:20060802 REV:20060803 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db2000/0601mr.htm
ワークフェア関連年表

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