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まちの居場所研究会



■ 計画 ■

◆研究課題
 無縁社会をめぐる諸問題について、特に人と人がつながりを作る場所「まちの居場所(まちの縁側)」の効果に注目し、それが社会と人の接点としてどのような効果を持っているのかを検討し研究することを目的とする。特に、現在の社会問題である人間関係の希薄化によって生まれた本人の意図しない孤立を解消し、人とのつながりを保障する仕組みや制度等を構想するにあたり、「まちの居場所(まちの縁側)」の具体的な効果と課題を検討しながら考察を深め、あるべき方向性を構想する。

◆研究会メンバー:計9名 *所属などは2011年度のもの
【研究代表者】
小辻 寿規  立命館大学大学院先端総合学術研究科 公共領域・4年次
【研究分担者】
林 徳榮(イム・ドクヨン)  立命館大学大学院先端総合学術研究科 公共領域・3年次
加藤 こずえ  同志社大学大学院総合政策科学研究科
北川 桃子  同志社大学大学院総合政策科学研究科
クァク ジョンナン  立命館大学大学院先端総合学術研究科 公共領域・3年次
小林 宗之  立命館大学大学院先端総合学術研究科 公共領域・4年次
坂井 めぐみ  立命館大学大学院先端総合学術研究科 公共領域・1年次
榊原 直樹  立命館大学産業社会学部3回生
モリ カイネイ  立命館大学大学院先端総合学術研究科 共生領域・3年次

【教員責任者】
後藤 玲子  立命館大学大学院先端総合学術研究科教授



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■ 活動/成果 ■

【定例研究会】

第1回研究会 2011年6月27日(月)13:30〜16:00 
場所:立命館大学アカデメイア21

・小辻寿規
 「まちの居場所の現状と課題」
内容:「無縁社会」というメディア報道に代表されるように、近年、高齢者の社会的孤立に対する人びとの関心が高まっている。また、2011年3月の東日本大震災では、孤立している高齢者をいかに救助するか、震災で孤立した高齢者をどのように援助すべきかが議論の焦点とされ、高齢者の社会的孤立の問題性が再認識された。
これまで、高齢者が社会的に孤立する原因としては、@雇用労働者の増加に伴う世帯構成の変化(氏原,1974)、A家族・地域関係の変化(後藤ほか,1991)、B貧困・低所得問題(渋谷,2010)、C医療・介護政策の不備(河合,2010)が指摘され、各地で実態を把握するための調査研究が進められてきた。だが、高齢者の社会的孤立の実態をとらえることはことのほか難しい。はたして、誰の、何からの孤立を社会的孤立と呼んでいるのか、どのような関係性の欠如をもって社会的孤立を捉えているのか、調査の背後にある視点が定まりにくいからである。社会的孤立を捉える視点は社会的孤立を測定する指標に反映される。調査ごとに測定指標がばらばらであり、しかも背後にある視点が不明瞭であることが地域間の比較研究を困難にする一因ともなってきた。
だが、その一方で、社会的孤立に対する対策は精力的に進められてきた。特に地域自治組織を中心とする「高齢者の見守り活動」が各地で積極的に行われ始めた。しかし、その効果については個別の成功事例(中沢,2008など)を除いて、かならずしも明らかではない。むしろ、既存の地域自治組織は閉鎖性や固定性をもちやすいこと、それらに高齢者の社会的孤立問題の対策を委ねることは危険であることが指摘されている。

京都市全域において「まちの縁側」30ヵ所の調査を行なった結果、「まちの縁側」が存在する地域の方が地域住民の交流が思いのほか盛んであること、社会的に孤立した住民や家族の存在を地域住民が日常的に認知しており、孤立した住民の体調などの変化に対応しやすいことが明らかとなった。また、「まちの縁側」に社会的に孤立した高齢者を誘導することによって、少しずつではあるが、社会的に孤立した高齢者が新たな人間関係を構築している。
多くの「まちの縁側」が「来る者拒まず去る者追わず」の姿勢をとっており、自由に参加できるため、地縁に縛られることや義務が発生しにくく利用者のプライバシーの保護においても厳格なため、既存の地域自治会組織による取り組みと比べて生活問題などの相談もしやすく孤立問題の援助主体として有効なことが明らかとなった。

第2回研究会 7月25日(月) 13:30〜16:30 
場所:まちの学び舎 ハルハウス

・坂井めぐみ
 「西欧カフェ文化と花柳界から考えるサロン的空間―コミュニケーションの先にあるルール―」
内容:西欧と日本のカフェ史を比較検討した上で、サロンの変化の分析を行い、現代のサロンにおける交流の可能性を明らかにした。

【成果および今後の活動】
今年度は、「まちの居場所」が人々のつながり作りに有効であることを少なからず明らかにしてきたが、来年度以降は、そのつながりが利用者にとってどのように有効なものであるのかに関しても分析していきたい。



*作成:小辻 寿規
UP:20110621, 20110627, 20110831, 0902, 20120330

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