徳田聖也さんは、大学では文学部に在籍しながら法律にも興味を持ち、勉強を重ねていた。次第に法曹界への関心も膨らみ、卒業後の進路について考え始めた3回生のはじめ、「就職しようか、それとも法曹の道を目指そうか」と真剣に悩んだ。迷いを消し去ったのは、あるテレビ番組で見た弁護士の姿だった。
「過払い訴訟を扱ったドキュメンタリー番組でした。困り果てていた原告が、弁護士の尽力で生活を取り戻し、顔つきまで生き生きと変わっていくのを見て、感銘を受けました。弁護士というのは、なんてすばらしい職業なんだろう、これを一生の仕事にしたいと思い立ちました」
立命館大学法科大学院への入学が決まった時、徳田さんがまず肝に銘じたのは、「3年間しっかり自己をマネジメントし、計画的に勉強を進める必要がある」ということだった。
「文学部出身の私の法律知識は、当時ほとんど皆無と言ってもいいほどでした。同じ未修コースでも法学部出身の学生には大きく後れをとっている。目標を定め、着実に実力をつけていかなければ、3年で合格するのは難しいと、ひしひしと感じました」
長期的、短期的な計画を立て、それに沿って勉強を始めた徳田さん。しかし最初の一年間は、まったく思い通りに進まなかった。中間テスト、期末テストの成績は、惨憺たるありさま。徳田さんを特に苦しめたのは、論述だった。
「それまでにも論文などを書いてきましたから、文章を書くことは苦手ではありませんでした。けれど法律の論述問題は、それとはまったく別ものでした。基本書を熟読して得た知識を盛り込んで答案を作ったつもりでも、現実には法律的な解釈を間違えたり、論理的に記述できなかったり。どの科目のもことごとく低成績で、どう勉強したらいいのかもわからない状態が続きました」
それが変わったのは、2年次になってエクステンションセンターが開講する「弁護士ゼミ」を受け始めた頃からだった。弁護士ゼミでは、立命館大学や法科大学院の卒業生で、現在法曹で活躍する弁護士が来校し、ゼミ形式で講義を行う。
「1コマ3時間の授業は少人数制なので、わからないところを直接指導してもらえます。どんな風に論理を構築し、どういう書き方をすれば伝わるのかを徹底して教わったことで、ようやく論述の手ごたえをつかむことができました」 |