2008年1月に初めての赴任地、さいたま地方裁判所に来て以来3年間、判事補としてさまざまな裁判に携わってきました。主には、3人の裁判官の合議体で審理・判決を行う合議審の左陪席裁判官を務める他、勾留請求や逮捕状の請求などを認めるか否かの判断を下す令状事件や、民事執行・保全事件の一部も担当しました。2009年から裁判員裁判が始まり、事実認定や法律の解釈の難しい事件も増えており、この3年間は、新人判事補としてそうした難題に挑む毎日でした。
裁判官という仕事の一番のやりがいは、一方の当事者の立場になる弁護士や検察官とは異なり、両当事者の間に立ち、「法と正義に基づいて、自らが正しいと信じる判断を下せる」ところです。裁判の独立が保障されている司法制度のもとでは、私の担当する事件は他の誰にも干渉されません。合議事件を扱う場合でも、経験豊富な裁判長や右陪席裁判官と同等に議論し、自分の意見を述べることができます。もちろん職責の大きさは、はかりしれません。私の判断が、当事者の人生をも左右することになるのですから。時には難しい判断を迫られ、立ちすくむこともあります。けれど悩みに悩んだ末に、正しいと信じられる一つの結論を導き出せた時、「この仕事を選んで良かった」という思いを改めて強くします。 |