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先生のお薦め本
 
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 北村  順生 先生(映像学部)お薦め本

2017.09.01
 北村  順生 先生の研究概要
   


『都市のドラマトゥルギー』
  吉見 俊哉 著 (弘文堂, 1987)

 カルチュラル・スタディーズの第一人者ともいえる著者が、浅草から銀座、新宿、渋谷へと至る東京の盛り場の変遷を、街を遊歩する人びとの<上演=出来事の生成>という観点から捉えかえしたデビュー作。日常的な都市空間に生じている「文化の政治学」を学ぶための格好の一冊。


『メディア論 : 人間の拡張の諸相』
  マーシャル ・ マクルーハン 著 ; 栗原 裕, 河本 仲聖 訳 (みすず書房, 1987)

  メディア研究の古典。映画やテレビから、自動車、衣服に至るまで、さまざまな事物をメディアという視点から分析している。「メディアはメッセージである」、「ホットなメディアと、クールなメディア」などのフレーズは、当時から2周ほど時代が回転した現在にこそ有効性を持つかもしれない。



『風の歌を聴け ; 1973年のピンボール 村上春樹全作品 : 1979~1989』
  村上 春樹 著 (講談社, 1990)

 いまやノーベル文学賞候補の常連となった著者の長編デビュー作。著者の一連の著作に対しては、独特の世界観や文体などについて賛否の分かれるところだが、単なる文学作品としてのみならず、グローバルに広がる同時代的な若者の意識や文化のあり様を考える素材としても興味深いと言える。



『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
  マックス ・ ヴェーバー 著 ; 大塚 久雄 訳 (岩波文庫, 1989)

 「プロ倫」の略称で知られる宗教社会学の古典。利潤の追求を敵視するはずの禁欲的ピューリタニズムが、逆説的に近代資本主義の精神的エートスを生み出してきたことを明らかにしている。当たり前の常識だと思ってきた事柄が、論理的な探究を通じて新たな見え方へと逆転する知的快楽に出会える本の一つ。



『ハマータウンの野郎ども』
  ポール ・ ウィリス 著 ; 熊沢 誠, 山田 潤 訳 (ちくま学芸文庫, 1996)

  イギリスの労働階級に属する生徒たち(野郎ども)が、建前としての学校文化と対抗する階級独自の文化や価値観をどのように再生産しているのかを、詳細な生活誌的な記述により明らかにしている。格差社会が顕在化しつつある現在の日本において学ぶことも多いが、エスノグラフィクな研究の面白さも実感できる。



『スローターハウス5』
  カート ・ ヴォネガット ・ ジュニア著 ; 伊藤 典夫 訳 (ハヤカワ文庫, 1978)

 第二次世界大戦中に捕虜となった上、地球外生物との出会いにより時空間を行き来するようになった主人公をめぐるSF小説。荒唐無稽なエピソードがユーモアを交えて語られる一方で、ドレスデン爆撃をはじめとする不条理な出来事に対する憤りと、現実を受け入れて生きていこうという力強さを併せもつ、不思議な魅力に溢れた一冊。



『深夜特急1: 香港・マカオ』
  沢木 耕太郎 著 (新潮文庫, 1994)

 著者の体験に基づいた、アジア経由でロンドンまでのバス旅行をする若者の旅行記。バックパッカーのバイブル的な存在となった本。登場するアジアの街の多くが、グローバル化の進展の中で当時とは大きく様相を変えてはいるが、旅の中で他者や異文化との出会いがもたらす喜びと苦しみ、そして悲しみには、今でも変わりはないであろう。



『消費社会の神話と構造』
  ジャン ・ ボードリヤール 著 ; 今村 仁司, 塚原 史 訳 (紀伊国屋書店, 1979)

 1980年代に隆盛した消費社会論を代表する書籍。モノの価値とは単にその使用価値にあるのではなく、モノに付与された記号によるものであるとされる。消費行為が自分らしさの追求とも結びつくという本書の考え方は、バブル景気が遠い過去のものとなった現在においても、様々な面において有効であると思える。



『ぎりぎり合格への論文マニュアル』
  山内 志朗 著 (平凡社新書, 2001)

 論文執筆のマニュアル本に類書は数多いが、その実用性と諧謔性の高さにおいて本書は群を抜く。論文を書く際に陥りがちな失敗や誤解について、著者自身のアルアル的な体験をもとに丁寧に、かつユーモアを交えて説明されている。マニュアル本を読まないでもおそらく論文は書けるが、もし読むのであれば本書は外せないであろう。



『限界芸術論』
  鶴見 俊輔 著 (ちくま学芸文庫, 1999)

 落書きから民謡、盆栽など、芸術と生活の境界に存在し、大衆によって享受される限界芸術に関する論考。あわせて、ラジオや映画、新聞小説などの大衆芸術についても語られている。現代の大衆文化やサブカルチャーを語る際にも、常に立ち返るべき出発点の一つとして意識すべきものと思われる。


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