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野田  正人先生(産業社会学部) 

    野田  正人先生の研究概要

 
 
テーマ:家族と子供
ここでは、人、特に家族と子どもについて学ぼうとすることきに、ぜひ読んでほしいと思った、読みやすい入門書を中心に紹介しています。その多くは、これまで学生諸君が当然のことと信じて暮らしてきたことに、疑問を投げかけるものだろうと思います。それこそが学びの始まり。  それぞれの著者は、より専門的に書いたものがあります。ぜひ興味のわいた部分を手がかりに、深みにはまってください。
『フロイト伝』
   カトリーヌ・クレマン著(青土社、2007年)

 精神分析の創始者といえばジークムント・フロイト。オーストリアのユダヤ人精神科医である彼の著書は、「ヒステリー研究」「夢判断」「精神分析入門」など、興味を引かれるものが多いが、翻訳はちょっと手強い。そこでまずは写真入りの本書で概要を知ろう。


『タテ社会の力学』
   中根 千枝著(講談社学術文庫、2009年)

 社会学的切り口で日本を語るものは多いのですが、今から30年以上前、皆さんの親世代がなるほどと納得した1冊。日本は法よりも社会的規制つまりネットワークの力が強いと説く。親以上の世代を理解すると同時に、今の日本に当てはまるかも考えてほしい。


『母性社会日本の病理』
   河合隼雄著(中公叢書、1976年)

 心理学者で、京都大学教授から文化庁長官をされ、臨床心理士やスクールカウンセラーの生みの親。日本人の心理的問題を手がかりに、何でも包み込む「母性」が日本において重要な役割を果たしていると強調する。やはり親世代納得の書だが、今はどうだろう。


『日本人のしつけは衰退したか』
   広田照幸著(講談社現代新書、1999年)

 著者は教育史を手がかりに、現代のさまざまな課題に切り込んでいる。本書は、よく言われる、昔の家庭の教育力は高かったのに今の親はといった言説に対して、ていねいな検証に基づいて、その仕掛けを明らかにして、研究の意義と面白さを教えてくれている。


『格差社会』
   橘木俊詔著(岩波新書、2006年)

 不安定・低所得者の増大や新しい貧困など、いろいろな格差が拡大しているとされる。そのため格差や不平等に関する本が、急激に増えていて、どれから手をつけるか迷う。そんな時、まずは第一人者により、様々な統計を使って詳細に検証された本書がおすすめだ。


『母性愛神話の罠』
   大日向雅美著(日本評論社 2000年)

 子育てにおける母の役割は、古来いろいろ言われてきた。母性の研究者で子育て支援の実践家でもある著者は、その研究から、母性愛神話がもつ弊害が、社会にとって見過ごせないほど深刻であるとしている。子育支援や虐待などを考える時、参考となる書である。


『子ども理解 : 臨床教育学の試み』
   田中孝彦著(岩波書店 2009年)

 臨床教育学とあり、教師が持つべき子ども観を中心とする。しかし、地域や教育運動、フィンランドなどの国際的、子どもへの聞き取りなど多様な視点を生かし、子どもをどう見るかを考えさせる。教育だけでなく、心理や福祉など多様な学びに役立つ書である。


『教育の社会学 : 「常識」の問い方,見直し方』
   苅谷剛彦他著(有斐閣アルマ、2010年)

 皆さんがこれまで経験してきた教育・学校経験と科学するとはどういうことかを、体系的に教えてくれる本です。不登校や格差、ジェンダー教育、学歴社会と能力主義など、身近な素材を手がかりに、社会学的にアプローチする方法を会得することにも役立ちます。


『依存症と家族』
   斎藤 学著(学陽書房、2009年)

 著者は精神科医で、家族問題や児童虐待、依存症の研究のパイオニア。学生にもしばしば見られる依存症。アルコール依存、摂食障害、ギャンブル依存、買い物依存、恋愛依存…こういったことはなぜ生まれるのかを、家族問題を手がかりに明らかにしています。


『社会的ひきこもり―終わらない思春期』
   齋藤環著(PHP新書、1998年)

 著者は精神科医で、ひきこもりの臨床とともに、社会・文化的なことへの発言もするどい。就労せず、外出もせず、自分の部屋に閉じこもったまま過ごす青年たちが百数十万人といわれる現代、ひきこもりを個人の病理でなく「システムの病理」であるとする。


『子どもの貧困』
   阿部彩著(岩波新書、2008年)

 この三年ほど、子どもの貧困に関する本の出版がたて続いた。そのきっかけとなった本でもあり、子ども期の貧困が、健康や学力など大人になっても続く、人生のスタートラインからの不利にあたるのだと、国際比較も交えたデータをもとに明らかにしている。


『子どもの貧困白書』
   子どもの貧困白書編集委員会編(明石書店、2009年)

 名前の通り、子どもの貧困についての詳細な白書となっている。給食費を払わない状況はなぜ起こるのか、誰の責任なのか、給食のない休みの時期に体重の減少する子どもがいる状況をどう考えるのか。外国も含めた多様なデータを前に考えることが多い本です。


『少年非行の社会学-新版』
   鮎川潤著(世界思想社、2002年)

 非行だけでなく、家庭内暴力やいじめについても、明治以降の長い歴史と広い社会的枠組みからとらえている。個別事例を取り上げて、法律や実際の処遇に関して触れている部分もあり分かりやすい。著者の読書歴や体験談も盛込まれ、彼の誠実さも伝わる本だ。


『人間失格?』
   土井隆義著(日本図書センター、2010年)

 もちろん、太宰治の人間失格とは違う。サブタイトルで想像できるように、少年たちはなぜ罪を犯し、その責任などこにあるのか、罪を犯してしまったら人間として失格なのかを問う。少年犯罪に社会がどのように向きあうのか、厳罰化でよいのかを問う本である。


『自白の心理学』
   浜田寿美男著(岩波新書、2001年)

 最近、法と心理学会という、法律と心理が出会う学会もできている。そのメンバーで、実は私の指導教官だった人の著。「やってないことを白状する」など信じられるだろうか。それがあり得るのだということを、実際の冤罪事件の供述分析の経験を生かして解説する。


『いじめとは何か―教室の問題、社会の問題』
   森田洋司著(中公新書、2010年)

 いじめ研究の第一人者が執筆で、このテーマの必読書。1980年代の「いじめ」発見以降の実情の変化を、諸外国のいじめも紹介しながら、分かりやすく解説している。特に、いじめを個人の病理とせず、大人社会の反映であるゆえ、市民性教育の必要性を説く。



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