所長あいさつ
立命館大学人間科学研究所は、旧教育科学研究所を土台に新たなスタートを切って5年目を迎えました。この間、立命館大学では、学部にあっては、文学部心理学科、教育人間学専攻、産業社会学部人間福祉学科、そして大学院においては、応用人間科学研究科、先端総合学術研究科など、人間科学に関わる多くの教学組織が創設されてきました。
このような発展は、現実の社会で、今、生じている様々な問題の同定やその対策のあり方にリアルタイムで対応してきたものとも言えます。
人間に関わる大きな社会の認識の枠組みから、高齢者や障害者に対する援助や児童・生徒への学校・地域における支援の制度に至るまで、良きにつけ悪しきにつけ、この間にはまさにパラダイムチェンジとも言える社会的変革が起こっています。
人間科学研究所の役割は、人間科学諸領域に関わる研究者や実践者が、そうした変化の時代の中にあって、生じてくる新たな課題を遅滞なく解決するために「連携」し、そこからまた新たな方法論を築き上げるための「融合」が可能になるような、ダイナミックなプラットフォームの機能を果たすことだと思います。
「人間科学」という表現は決して新しいものではありませんが、単にその名のもとに複数の関連専門分野が集合するだけではなく、そのような連携・融合を効果的に実現していくための方法論に正面から取り組むという作業は、未だ緒に就いたばかりと言えるでしょう。
人間科学研究所は、そうした方法論の開発自体を共通の研究テーマとして試行錯誤を行う組織であるとも言えます。
「連携と融合」は、単に既存の学問体系間のみならず、研究と教育、大学と地域、そして基礎と応用といった様々なカテゴリーの間で縦横に展開してこそ、その成果を挙げられるものと考えます。従って、プラットフォームとしての人間科学研究所に求められる活動は、まずは、学内外の関連研究・実践者が、その作業内容に関して相互に見渡しやすいものとすること、そして、必要な連携のための場とサービスを提供することにあると考えています。
この間の研究・実践の成果は、印刷媒体としての「立命館人間科学研究」、「学術フロンティア推進事業プロジェクト研究シリーズ」にも紹介されていますが、この研究所ホームページならびに、併設されているヒューマンサービスプラットフォーム(HSP)にも作業過程を含めて動画配信など多様なメディアを使用して紹介しています。
2004年度は、当研究所の中心的な課題として据えている「学術フロンティア推進事業『対人援助のための人間環境デザインに関する総合的研究』プロジェクトの最終年度であり、またいくつかの大きなプロジェクトが終了する節目の年でもあります。
一方で、これらのプロジェクトを土台に派生した新しい研究プロジェクトや実践活動は日々育ち、実りつつあります。まさにプラットフォームとしての人間科学研究所が本格的に機能しはじめた時期にあると感じています。
幅広い人材に恵まれた立命館大学にあって、研究面での深化と社会に開かれた実践作業を同時に進行できるプラットフォームとして発展していくことが、当研究所の使命であると考えております。ご意見やアイディアをお待ちしています。
- 歴代研究所長
- 望月 昭 (文) 2004年~
- 佐藤 嘉一 (産社) 2002年~2003年
- 松田 隆夫 (文) 2001年
- 斉藤 稔正 (文) 2000年




