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2011年度 研究会一覧

間文化現象学研究会

2011年度の総括

今年度の研究テーマ「間文化性における知の混淆と異化」のもとで研究を具体的に遂行するために、若手研究者を中心として、「間文化性」と連関した「間世代的」な研究展開をはかることに重点を置いた。

これに対応して、第一に、若手の研究支援、第二に、若手の研究成果の公表支援、第三に、内外の研究者との研究交流支援を行った。第一については、資金的援助を行った。第二については、科研費の研究報告書を作成し、そのなかでの研究成果公表を支援した。また、第一の点とも絡んで、若手研究者が海外・国内で研究発表を行うことを支援した。第三に、Giedre Smitiene氏、廖欽彬氏を招待してワークショップを開き、あるいはまた個人的な討議の機会を設定して、若手研究者との研究交流を支援した。

これら、とりわけ第二、第三の活動によって、知の混淆と異化が、具体的な間文化的交流経験のなかで実現されるとともに、それと一体となって、その経験の構造の具体的解明の新たな可能性が開かれた。後者は、また実際、すでに次の成果となって現れてきている。この意味で、当初の目標は達成されたと言えるだろう。ただ、こうした研究は、ひとつの新たな経験が次の問題とその解明につながるという運動性をもっているので、「完結した」ということではない。「完結した」ではなく、「十分な成果を産み出しつつ、研究運動として展開している」という意味である。

また、科研費と連動した取り組みのうち、間文化現象学シンポジウムでは、より「間世代的」な交流関係が成立した。これも新たな研究展開への大きな示唆が与えるものとなった。

ワークショップ:間文化性の未来に向けて―精神/共存から時間・歴史へ―
開催日時 2012年3月10日(土) 衣笠キャンパス 学而館2階第3研究室
報告者・テーマ ●9:10~10:10
「尾高朝雄と超越論的現象学―文化的対象性の現象学的考察―」
小林 琢自(立命館大学)

●10:20~11:20
「誰かがそこから呼びかけてくる場所について~がん緩和ケア専門看護師Cさんへのインタビューから」
村上 靖彦(大阪大学)

●11:30~12:30
「野生の精神と間文化性」
廣瀬 浩司(筑波大学)

●13:30~14:30
「共感と価値 ――M・シェーラーにおけるケアの倫理」
吉川  孝 (高知県立大学)

●14:40~15:40
「各自性と共同性をつなぐもの」
古荘 真敬(東京大学)

●15:50~16:50
全体討論
聴講無料・事前申し込み不要
※シンポジウム終了後、懇親会を予定しております。
【講演会チラシ】

第3回&第4回シンポジウム 統一テーマ「精神と共存」
開催日時 2011年11月3日(木) 衣笠キャンパス 末川記念会館 第3会議室
報告者・テーマ ●10:10~11:10
瞬間の自己性 Selfness of the Instant
野間 俊一(京都大学精神医学教室)

●11:30~12:30
レヴィ=ストロースとメルロ=ポンティ
-自然と文化の区別から野生の精神へ 及びそして両者の間文化的含意について-
Levi-Strauss and Merleau-Ponty: from the Natural-Culture distinction to Brut Sprit and their intercultural Implication
劉國英 LAU Kwok-ying(香港中文大学)

●14:00~15:00
田辺のバロックの哲学 - 「種の論理」と「共存」
Tanabe’s Philosophy of Baroque: “Logic of Species” and “Co-existence”
村井 則夫 (明星大学)

●15:20~16:20
共創造性 - 間文化的コミュニケーションと共存の為の鍵概念
Concreativity - a crucial term of intercultural communication and Co-existence
ゲオルグ・シュテンガー STENGER Georg(ウィーン大学)

●16:40~17:40
似ている(だけど違う)違う(だけど似ている)-フッサールの第五デカルト的省察における間文化的他者の可能性
similar(but Different)and Different(but Similar):The Possibility for Intercultural Others in Husserl's Fifth Cartesian Medication
ラナイ・ローデマイヤー (デュケイン大学)
聴講無料・事前申し込み不要
※シンポジウム終了後、懇親会を予定しております。
【講演会チラシ】


武内大氏講演会-間文化性と現象学
開催日時 10月29日(土)16:20~18:00 末川記念会館 第3会議室
テーマ 「元型的想像力の現象学 -世界魂と気息を巡って-」
報告者 武内大(東洋大学)
<武内大氏略歴>
東洋大学講師、文学博士(東洋大学)。著書に『現象学と形而上学-フッサール・フィンク・ハイデガー』(2010年)の他、論文多数。
司会 池田 裕輔(立命館大学)
※講演会終了後、懇親会を予定しておりますので、そちらも是非ご参加下さい。

ワークショップ:京都学派と現象学
開催日時 2011年7月2日(土)15:30~18:30 末川記念会館 第3会議室
テーマ 『媒介とそれを動かすもの──西田・田辺論争と現象学的「視」の問題』(仮)
報告者 田口 茂(山形大学)
<田口茂先生略歴>
山形大学准教授。哲学博士(ドイツ、ヴッパータール大学)。著書にPhaenomenologicaに所収された博士論文の邦訳である『フッサールにおける「原自我」の問題 : 自己の自明な「近さ」への問い』(2010年)などがある。
テーマ 『田辺哲学と現象学』(仮)
報告者 廖欽彬(国立中山大学)
<廖欽彬先生略歴>
国立中山大学助理教授、文学博士(筑波大学)。論文に「宗教的実践と『偶然』-後期田辺哲学を中心に-」、『比較思想研究』第37号(2010年)「後期田辺哲学における偶然性の問題-『懺悔道としての哲学』を中心に-」、『哲学・思想論叢』第29号(2011年)など多数。
※ワークショップ終了後、懇親会を予定しておりますので、そちらも是非ご参加下さい。

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