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2011年度 研究会一覧

回復研究会

2011年度の総括

本年度は、3月11日の東日本大震災の影響を受けて、活動規模を縮小した。しかし、限られた予算と活動状況の中で、土曜講座の連続講座(2011年4月)「戦争からの人間存在の回復」を通じて、研究ネットワークの拡大と研究成果の社会的発信を行った。内容については、立命館土曜講座2011年4月開催の講座を参照されたい。なお、この講座での竹山博英氏の講演「アウシュヴィッツからの回復—プリーモ・レーヴィの場合」は、氏が監修した2011年度国際平和ミュージアム秋季特別展「プリーモ・レーヴィ―アウシュヴィッツを考えぬいた作家」の内容に関連するものであったことも申し添えておきたい。

 また東日本大震災と関連して、「哲学と文学における人間存在の回復講演会」と題して、岡田勝明氏(姫路獨協大学教授)をお招きして、「もし自然(じねん)のことあらば...夏目漱石、遠藤周作、村上春樹」と題する講演会を開催した(2011年10月5日)。震災による被害の状況の中で、人間の死と他者との共存の探究を文学の中に見る内容で、震災後の人文学の考え方に一石を投じる講演会であった。また国際交流として、ドイツよりArne Zerbst氏(ヴァイエルン科学院)をお招きして「芸術の哲学的構築—思弁と直観の間のシェリングの『芸術哲学』」を開催した(2012年3月8日)。両講演会は、文学と芸術による人間存在の回復の可能性を探るという意味で、本研究会の内容に深く関連する講演会となった。

このように、決して数多いとは言えないが、連続講座と講演会を企画し、「暴力からの人間存在の回復」に関する研究を進捗させ、ネットワークを拡大し、社会的発信を行うことができた。

他方、東日本大震災を受けての活動規模の縮小に伴い、2011年度は、研究会を十分に行うことができなかった。この点を踏まえ、2012年度は、講演会のみならず、研究会形式の活動にも力を入れていきたい。

「アルネ・ツェルプスト氏」講演会
開催日時 共催 日本シェリング協会
2012年3月8日(木)17:00~19:00 学而館2階 第3研究会室
テーマ 「芸術の哲学的構築―思弁と直観の間のシェリング『芸術の哲学』」
Die philosophische Konstruktion der Kunst. Schellings "Philosophie der Kunst“ zwischen Spekulation und Anschauung
報告者(所属) アルネ・ツェルプスト (Arne Zerbst)氏
(バイエルン科学院:シェリング・コミッション事務局長)
※講演はドイツ語で行われますが、日本語訳を配布します。質疑応答には通訳がつきます。

「哲学と文学による人間存在の回復」講演会
開催日時 2011年10月5日(水)16:30~18:00 末川記念会館 第3会議室
テーマ 「もし自然(じねん)のことあらば・・・夏目漱石、遠藤周作、村上春樹」
報告者(所属) 岡田勝明氏(姫路獨協大学 教授)

<岡田勝明先生略歴>
1951年兵庫県生まれ。姫路獨協大学教授 博士(哲学)、日本フィヒテ協会会長、西田哲学会理事
著書『フィヒテ討究』(創文社、1990)
   『開かれた孤独へー思想の源流に求める人間の所在』(世界思想社,2000)
   『フィヒテと西田哲学ー自己形成の原理を求めて』(同,2000)
   『良寛への道ーことばに生きる』(燈影舎,2005)
   『自己を生きる力ー読書と哲学』(世界思想社, 2011)

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