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研究会報告 2007年度

暴力論研究会

2007年度の総括

プロジェクト最終年度の本年度は、4つの形式による研究活動において合計8名の研究が示され、さらに最後にこれまでの研究活動の総括が行なわれた。クロンバッハ博士によるセミナー(6月)、新歴史主義研究会との共催によるマカロック教授講演会(10月)、著名な研究者諸氏(鵜飼哲、酒井隆史、萱野稔人氏、司会:松葉祥一氏)による、ファノンを軸にしたシンポジウム(10月)、新進気鋭の研究者(青柳雅文氏、亀井大輔氏)と画期的なギリシア哲学研究を展開する日下部吉信氏による合同研究会(1月)、そして締めくくりとして、相互に研究を検討しあいながらこれまでの研究をまとめあげる総括研究会(2月)であった。これらをつうじて、研究活動はさらに充実したものとなった。

暴力現象を、その広さにおいて視野に収め、その深さにおいて掘り下げつつ、人間存在との関係のなかで理論的および実証的に解明するという試みは、大きな成果を挙げることができた。これまで隠されてきた暴力現象についての知見の拡充とともに、それを捉える新たな視座が獲得されたのである。このわずかな紙幅のなかでは紹介できないが、その成果は科研費「研究成果報告書」(A4版407頁)にまとめ上げられ、関連の研究機関にも配布された。今後の研究展開にとって重要な橋頭堡となるであろう。また、これらの成果のなかから13篇が単行本『暴力と人間存在』にまとめられた。これは、本学の出版助成を受け、8月に筑摩書房より刊行される予定である。これによって、成果の一部が一般にも公開され、それとともに、この問題への関心がさらに広がり、これがまた今後の研究展開の後押しとなることが期待される。

最後に、この研究を支えていただいた諸氏に心よりお礼申し上げる。

研究代表者: 文学部教授 谷 徹

開催日 2007年6月8日
テーマ Phenomenological Perspectives of War as Organised Violence
「組織暴力としての戦争をめぐる現象学の視座」
報告者(所属) Dr.Hayo B.E.D.Krombach(Centre for Philosophy of Natural and Social Science London School of Economics and Political Science University of London)

報告要旨

開催日 2007年10月11日
テーマ Violence in the Family(新歴史研究会共催)
報告者(所属) Associate Professor Ann McCulloch(Deakin University, Australia)

報告要旨

開催日 2007年10月13日
テーマ 民衆の対抗暴力の可能性と不可能性--フランツ・ファノンを手がかりに-
報告者(所属) 鵜飼 哲(一橋大学教授)
酒井 隆史(大阪府立大学教授)
萱野 稔人(津田塾大学准教授)

報告要旨

開催日 2008年1月26日
テーマ (1)暴力と和解の星座 Konstellation -Th・W・アドルノの〈非同一的なもの〉の思想、意味論を手がかりに-
(2)超越論的暴力とは何か-デリダの思想形成の観点から-
(3)ギリシア哲学と暴力-ピュタゴラス学派をめぐって-
報告者(所属) (1)青柳 雅文(文学部非常勤講師)
(2)亀井 大輔(文学部非常勤講師)
(3)日下部 吉信(文学部教授)

報告要旨

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