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2010年度研究会報告

第3回(2010.10.10)

テーマ 光と女性の越境移住:
北タイ少数民族地域に見る観光産業と女性の越境移住
報告者 石井 香世子(名古屋商科大学)
報告の要旨

 本発表では、北タイで観光と女性の越境移住に関して行った予備調査の結果を報告した。
北タイ国境地帯のエスニック・マイノリティのコミュニティのなかには、女性が主な出稼ぎの担い手となっているコミュニティが存在する。今回調査対象とした村では、移住労働の一形態としてのオランダ、オーストラリア、シンガポールなどへの“結婚移住”の有り様がうかがえた。これらの村では、チェンマイ、バンコク、プーケットなどの観光地という社会空間を経由しての“結婚移住”の例が多くみられた。そして、彼女たちが勤務する観光地(の「マッサージ店」)は、「(“結婚移住”という名の)海外移住出稼ぎ」の主要な「結節点」となっていることが明らかとなった。今後の研究課題として、以下があげられよう。

① 「観光地」という社会空間が、マイノリティ・コミュニティに対して持つ意味の研究

② マイノリティ・コミュニティにおける“結婚移住”を“出稼ぎ”の一形形態として理解・定義する研究

③ “国際結婚”市場のなかに、「タイ女性」というカテゴリーで“参入”するマイノリティ女性の法的・社会的・経済的脆弱性に関する研究

石井 香世子

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