立命館大学人文科学研究所は、グローバリズムが、政治や経済、文化や社会の諸領域に生み出している諸問題を理論的に解明し続けています。

立命館大学人文科学研究所

人文科学研究所について

トップ > プロジェクト研究20112度 > グローバル化とアジアの観光 > 第2回

2012年度研究会報告

「グローバル化とアジアの観光」研究会(2012.6.23)

テーマ 被災地の復興とツーリズムの展望
―宮城県石巻市を事例として―
報告者 大森 信治郎(石巻専修大学経営学部特命教授)
報告の要旨

2011年3月11日以降に見られた被災地(宮城県石巻市を事例として)の状況の変化と今後の展望について、来訪者と受入れ側の分析、経済の状況等をふまえながら、ツーリズムの視点から報告する。

震災後1年余の被災地の状況の推移については、復旧の進行、被災者の心理(緊張感)と支援などへの要求水準の関係によって4つの段階(時期)に分けて理解することがき、それぞれの段階に「特徴的な来訪者」があったことが指摘できる。つまり、①被災者の緊張感は、支援・復旧の進行に伴って低減し、②これに従って来訪者の受け入れについての正負の感情も(概ね受容的な方向に)変化する。また③この間に各被災地はその認知度を飛躍的に高め、従来のイメージを大きく変容させた。そして④この一年余りの間に、従来では考えられない多くの多種多様な「ツーリスト」が被災地に流入した。

被災地をめぐる旅行を「復興ツーリズム」と呼び、その可能性と展望について考察する。

大森 信治郎

テーマ 東日本大震災からの観光産業の復旧と復興
―福島県いわき市を事例として―
報告者 村中 亮夫(立命館大学文学部講師) ・ 谷端 郷(立命館大学文学研究科)
報告の要旨

本報告では、福島県太平洋岸地方(浜通り)における観光拠点であるいわき市を事例に、東日本大震災によって市内の主要な観光施設・アトラクションがどのような被害を受け復旧されつつあるのかの状況を整理し、いわき市内の観光産業関係者に対する聞き取りや新聞資料等の整理、他の地域における観光を核とした災害復興に関する取り組み事例を参照しながら、いわき市における観光産業の復興に関する検討を行う。報告当日は、(a)食/観光の安全安心と物産品のブランド回復、(b)被災地ならではの観光商品・アトラクションの開発による新たな観光誘客についての可能性を議論したい。

村中 亮夫
谷端 郷

所在地・お問い合わせ

〒603-8577
京都市北区等持院北町56-1
TEL 075-465-8225(直通)
MAIL jinbun@st.ritsumei.ac.jp

お問い合わせ

Copyright © Ritsumeikan univ. All rights reserved.