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研究会報告 2006年度

貧困の文化と観光研究会

2006年度の総括

「貧困の文化と観光研究会」参加者は、当初予定していたように、特定の社会的弱者のコミュニティで、社会的弱者の観光に関連した活動、の政府の観光政策と社会的弱者対策・貧困に関する資料の収集、社会的弱者と観光客との関係、観光関連産業と社会的弱者の関係を調べ、実態にのっとって社会的弱者、観光関連産業、観光客、そして政府の関係の構図を描き出すように調査・研究を進めた。 さらに、社会的弱者の中で自生的リーダーとサポーターの関係についても調査した(江口信清 ガイアナ国の先住民アラワク人のコミュニティでの調査;藤巻正己 マレーシアの先住民オランアスリのコミュニティでの調査;デヴィッド・ピーティ エクアドルの先住民のコミュニティでの調査;研究協力者・本学非常勤講師・四本幸夫 フィリッピンの貧困者の調査;山本勇次 ネパールの社会的弱者のコミュニティでの調査;村瀬 智 インドの低位カーストのコミュニティでの調査;瀬川真平 インドネシアの地震被災者のコミュニティでの調査;石井香代子 タイ山地民のコミュニティでの調査; 研究協力者・本学文学研究科院生・雨森直也による中国雲南省白族の調査;科研費共同研究者・東京大学・池本幸生のベトナム少数民族の調査)。「貧困の文化と観光研究会」は、学内では、6回(3月開催分を含む)の研究会を開催した。参加者各自の問題関心・研究課題・調査結果の紹介だけでなく、外部の研究者を招聘して貧困者のための観光のあり方などに関する研究成果を報告してもらい、議論の素材にした。 社会的弱者の自立ためには、コミュ二ティを基盤にした観光の実践が有効であり、そのためにはNGOなどの外部からの側面支援が必要である。また、ただ単に、観光客を受け入れるだけでなく、観光客が落とす金を利用したマイクロ・ファイナンスの実践も生活改善には重要な役割を果たせるのではないかといった議論も行ってきた。

研究代表者:文学部教授 江口 信清

開催日 2006年5月12日
テーマ 「社会的弱者の自立と観光のグローバライゼーションに関する地域間比較研究」の研究企画
報告者(所属) (1)江口 信清(文学部教授)
(2)藤巻 正巳(文学部教授)
(3)瀬川 真平(大阪学院大学国際学部教授)、ピーティ・ディビット(文学部教授)
(4)汪 明輝(国立台湾師範大学教授)
(5)池本 幸生(国立台湾師範大学教授)
(6)石井 香世子(名古屋商科大学外国語学部専任講師)
(7)雨森 直也(文学部研究科院生)
(8)四本 幸夫(文学部非常勤講師)

報告要旨

開催日 2006年5月20日
テーマ (1)『本物』を語る権利は誰にあるのか:北タイトレッキングツアーとローカル社会
(2)ドミニカのカリブ人と観光現象:「キャピタリスト」と呼ばれた人物をめぐって
報告者(所属) (1)石井 香世子(名古屋商科大学外国語学部専任講師)
(2)江口 信清(文学部教授)

報告要旨

開催日 2006年7月15日
テーマ (1)観光開発をどう評価するか ─ 経済学的アプローチとケイパビリティ・アプローチ ─
(2)台湾原住民の権利回復運動と観光
報告者(所属) (1)池本 幸生(東京大学東洋文化研究所教授)
(2)汪 明輝(国立台湾師範大学)

報告要旨

開催日 2006年10月7日
テーマ (1)Community-based Ecotourism in Ecuador and its contribution to the Alleviation of Povert
(2)マレーシアのオランアスリと観光現象
報告者(所属) (1)David Peaty(文学部教授)
(2)藤巻 正己(文学部教授)

報告要旨

開催日 2006年11月11日
テーマ (1)Pro-poor Tourism 貧困撲滅のためのツーリズム
(2)現地住民と観光文化
報告者(所属) (1)高寺 奎一郎(立教大学非常勤講師)
(2)橋本 和也(京都文教大学教授)

報告要旨

開催日 2006年12月16日
テーマ (1)文化遺産観光と災害 ─ ジャワ島中部地域の調査から ─
(2)フィリピン国立公園開発委員会(NPDC)の公園美化プロジェクト:観光開発とのかかわりからの考察
報告者(所属) (1)瀬川 真平(大阪学院大学国際学部)
(2)四本 幸夫(非常勤講師)

報告要旨

開催日 2007年3月10日
テーマ (1)「観光都市ポカラの発展と貧困地域母親会の経済的自立運動」
(2)「インド社会の変化と宗教的芸能集団の適応戦略」
(3)江口信清2006年度のまとめと2007年度の計画
報告者(所属) (1)山本 勇次(大阪国際大学法政経学部教授)
(2)村瀬 智(手前大学社会文化学部)
(3)江口 信清(文学部教授)

報告要旨

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