立命館大学人文科学研究所は、グローバリズムが、政治や経済、文化や社会の諸領域に生み出している諸問題を理論的に解明し続けています。

立命館大学人文科学研究所

人文科学研究所について

トップ > 研究活動 > プロジェクト研究 2011年度

プロジェクト研究 2011年度

グローバル化と公共性

研究課題 グローバル化と公共性
代表者 松下 冽(国際関係学部教授)
研究会

研究会報告(詳細)

グローバル化とアジアの観光

研究課題 アジアのツーリズム空間の生成過程とトランスナショナルな人の移動に関する学際的総合的研究
代表者 藤巻 正己(文学部教授)
研究会

研究会報告(詳細)

近代日本思想史

研究課題 占領期の憲法論議-中央地方のジャーナリズムでの対応を中心に
代表者 赤澤 史朗(法学部教授)
研究会

研究会報告(詳細)

間文化現象学研究会

研究課題 間文化現象学の研究基礎の確立
代表者 谷 徹(文学部教授)
研究会

研究会報告(詳細)

回復研究会

研究課題 暴力からの人間存在の回復
代表者 加國 尚志(文学部教授)
研究会

研究会報告(詳細)

2011年度の総括

1.研究会活動の概要
人文科学研究所は現在、1.史料の収集・蓄積を重視した日本近代思想史研究、2.現在社会を解読するために哲学、倫理学、宗教学、社会学分野の研究者の協業による斬新な視角の模索、3.グローバル化の問題点の検証とそれへの実践的な課題の模索、を共同研究の柱に掲げている。その目標のもとに以下の5つの研究所重点プロジェクト研究①「近代日本思想史―戦後憲法論議の再検討―」(代表:赤澤史朗)、②「暴力からの人間存在の回復」(代表:加國尚志)、③「間文化性における知の混沌と異化」(代表:谷徹)、④「グローバル化とアジアの観光」(代表:藤巻正己)、⑤「グローバル化と公共性」(代表:松下冽)と、2011年度からは以下の3つの研究助成プロジェクト⑥「大学の自治の制度構想」(代表:中島茂樹)、⑦「戦後沖縄の基地・都市」(代表:加藤政洋)、⑧「人文科学方法論」(代表:筒井淳也)を設置した。

2.資料収集・調査活動
これに力をいれて取り組んだのは①と④である。①は2009年以来3年間にわたって外部研究者や院生の協力を得て、1950年代の全国の地方新聞に掲載された憲法関連論説を収集し、それらを入念に分析した後に厳選し、最終年度である今年度に成果報告書(科学研究費調査報告書)として史料集『1950年代の憲法論議』を刊行した。④はマレーシア、フィリピン、インドネシアにおけるエコツーリズムに関する現地調査を試みたほか、東日本大震災を直視するなかで、災害などを観光資源に転用するダークツーリズムがはらむ問題点にも関心を向けた。

3.学際研究への取り組み
いずれの研究会も通常の研究会の開催の中に人的・組織的な学際的交流を含んでいるが、それ以外にあえて特記すべき活動事項としては、②がArne Zerbst氏(ドイツ ヴァイエルン科学院)を招請して国際講演会「芸術の哲学的構築—思弁と直観の間のシェリングの『芸術哲学』」を開催したほか、国際ネットワーク作りに尽力した。③が香港、アメリカ、オーストリアから研究者を招聘し、第3回&第4回間文化現象学シンポジウム(テーマ「精神と共存」)を開催した。⑤がランカスター大学ボブ・ジェソップ氏、元国連大学副学長の武者小路公秀氏とアジア諸国からの専門家を提言者として、国際シンポジウム「転換期の東アジア」を2日間に渡って開催し、充実した意見交換を行った。

4.社会貢献
②は土曜講座の連続講座(2011年4月)「戦争からの人間存在の回復」の企画・実行を通じて、研究ネットワークの拡大と研究成果の社会的発信を行った。また、この講座での竹山博英氏の講演「アウシュヴィッツからの回復—プリーモ・レーヴィの場合」は、氏が監修した2011年度国際平和ミュージアム秋季特別展「プリーモ・レーヴィ―アウシュヴィッツを考えぬいた作家」の内容とも連動しており、同ミュージアムの展示活動にも貢献した。
④は東日本大震災以降、関心が高まった被災地ツーリズムへの実地調査を構想した。

5.若手研究者の支援
①~⑤のすべての研究会が博士後期課程の院生を中心とした若手研究者をメンバーに加え、学術報告や成果執筆の機会の提供や指導・研究資金の分与などを行っている。さらに若手研究者にワークショップの企画を委ねるなど研究者として自立するに際して必要な経験の機会を与えたプロジェクトも存在する。それらを含めた支援が博士論文完成を促し、その充実を助けたケースも存在する。

所在地・お問い合わせ

〒603-8577
京都市北区等持院北町56-1
TEL 075-465-8225(直通)
MAIL jinbun@st.ritsumei.ac.jp

お問い合わせ

Copyright © Ritsumeikan univ. All rights reserved.