冬季学術シンポジウム 開催報告
人文科学研究所冬季学術シンポジウム「転換期の国民国家-『統合』と『分離』の位相-」
2月4日(土)、衣笠キャンパスにて人文科学研究所主催の冬季学術シンポジウムを開催した。今回は東京大学社会科学研究所教授の広渡清吾氏、大阪市立大学大学院経済学研究科教授の中村健吾氏、立命館大学の中谷義和法学部教授を招き、「転換期の国民国家-『統合』と『分離』の位相」をテーマに転換期の国民国家のあり方とこれからのあるべき変容などについて講演した。
はじめに、広渡教授が「グローバル化の下の国民国家と市民社会の関係構造」をテーマに講演を行った。グローバル化による国民国家の変容と市民社会のあり方に触れ、グローバル化の中では現代資本主義国家が福祉国家であるべきだと述べた。また、中村教授は「EUという名の帝国-グローバル化と欧州統合の下での国家性の変容-」をテーマに、EU統合を例に出し、歴史的事実の中から見るグローバル化の本質について講演した。その後、中谷教授が過去と未来の国家のあり方を比較し、「グローバル化と民主的ガヴァナンス」について講演した。
引き続き行われたシンポジウムで、広渡教授は、社会科学の観点からグローバル化における市民社会・福祉国家について触れた。また、中村教授は欧州統合での国民国家の変化について、中谷教授は、政治的観点からグローバル化に対する意見を述べた。3者それぞれの視点からグローバル化・国民国家の変容に対する意見が出され、包括的シンポジウムとなった。
シンポジウム終了後、末川記念会館のレストラン「カルム」にてレセプションを行った。
シンポジウムの様子