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2014年3月15日 講師:孫 琴

高齢者支援の中で考える―支援する側・される側の変化―

 立命館大学人間科学研究所高齢者支援チームでは,音読・計算を中心とした学習活動が高齢者の認知機能や日常生活にどのような効果をもたらすかを調査しています。この研究の発端は,川島(2002)の「簡単な音読・計算課題を遂行すると脳の前頭葉が活性化する」という発見にありました。この脳科学から見出された結果に基づいて,高齢者を対象に簡単な計算と音読の課題を課し,抑制,記憶などの認知機能に及ぼす効果を確認しようとする研究が始まりました。このような実践研究を通して,我々研究者側は,支援される側(高齢者)における様々な認知機能への加齢の影響とその「可塑性」に目を向けることができました。そして,支援する側(サポータ)の日常生活に及ぼす効果も確認することができました。
 また,高齢者支援チームは研究成果の「社会的還元」を進めるために,行政や日本老年行動学会京都支部と連携しています。各行政や地域からの要請に応えるために,サポータの育成,定期的な研修・勉強会および実践報告会なども行っています。「社会的還元」を促進するためには,このような地道な活動を積み重ねることが重要なポイントになるのではないかと考えています  

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