立命館土曜講座 開催講座一覧


 戦後「平和と民主主義」を教学理念として教育・研究を行なってきた立命館大学は、昨今の情勢のもとで、大学本来の社会的使命と歴史的意義を再確認し、世界平和の実現をめざす大学としての存在意義を強く社会に発信することをめざしている。国際平和ミュージアムは、昨年の「戦後70年平和企画」に続き、今年も歴史研究を踏まえた特別企画展を企画し、戦後史を踏まえつつ平和学の視点から現代の諸問題に取り組む平和博物館としての姿勢を明確に示す方向を打ち出している。 5月末には、先の戦争で世界で最初に原子爆弾を投下した国の大統領が訪広し、核兵器のない世界の追求を訴えたが、核保有国と非保有国、あるいは核保有国同士の対立のもとで、果たして停滞している核軍縮の歩みを、前に進めることができるのであろうか。86年に7万発と言われた核兵器は冷戦後の核拡散防止条約のもとで四分の一の1.5万発まで縮小しているが、その間核保有国は拡大し、複数の国家間の対立・地域紛争やテロによって、危険はむしろ高まっていると言われている。その只中にあって、ヒロシマ・ナガサキそしてフクシマを経験した日本が、「核なき世界」を実現するために、どのような役割を果たすことができるのだろうか。 一方、世界各地で頻発している地域紛争や内戦は、土地や資源などを巡る利権が絡み、暴力の連鎖によって、宗教や民族、部族間の対立・争いへと広がり、政府軍や民兵が入り組む非常に複雑な様相を呈している場合が多い。このような紛争、そこから派生している大量の難民、貧困、人権、ジェンダー、環境などを巡る諸問題をどのように解決し、和解や共生・共存へと導いていくことができるのか。そこで、グローバル社会における国家、民族、地域の関係性や現代的矛盾の本質、そこでの紛争の解決や和解への取り組みなど具体的な事例を通して、平和構築という未来への手がかりを、本土曜講座において講師とともに考えてみたい

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