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2017年1月14日 講師:田中 弘美

伝統織物の美を科学的に解明する

 有形文化財の中には、浮世絵、能装束のような織物や段通などのように、様々な色、文様、光沢を持つものが多く存在する。これらの表面は、複雑で微細な表面構造を持つため、照明方向や視方向の違いによって、その光沢や質感が大きく変化し、独特の美しい風合いを生み出している。
 本講演では、能装束、懸想品や浮世絵などの有形文化財を対象とし、1)超高精細分光撮影による文化財のデジタルアーカイブ、2)多方向からの照明下において観察した多方向照明画像を解析し、対象物体表面の3次元微細構造や異方性反射特性を表現する3次元モデリング、3)表面形状や照明変化による光沢や質感の変化を実世界に忠実に再現する異方性反射レンダリング、4)浮世絵を「手にとって鑑賞する」体験を提供する視触覚呈示、さらに、5)織物や段通の触知感呈示のための人工触覚ディスプレイについて紹介する.





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