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2018年3月10日 講師:早川 一光、早川 岳人

この道はいつか来る道

 今から70年前、京都西陣に白峯診療所(現:堀川病院)を住民出資による医療機関を創設、住民参加の地域医療を実践してきました。現在、日本の医療保健システムとしてある、往診(訪問診療)、訪問看護などの先駆けとなりました。病院を基点に路地から路地へ、誰の健康をまもるかと言えば、住民の健康をまもること、健康だけをまもるのではなく、生活をまもること、暮らしている住民のいのちをまもることを基本に、一貫して患者・家族や地域に耳を傾け、自らも患者になりながら「生活医療」について問いかけています。今でも、病気の原因は「社会病」だという考えは変わりません。94歳を過ぎてもしみじみと感じながら、たどりこし道を振り返っています。

 現在の日本は世界一の長寿国になり、先進国にはまれにみる速さで高齢化が進んでいます。その中でこれからは人口が減っていきます。日本がたどる保健、医療、福祉、介護の課題は、他の国々がたどりこし道でもあります。健康を単に病気という視点からではなく、生活習慣や生活環境という大きな視点で、地域社会の健康課題の改善を行っていく必要があると考えています。



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