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マイグレーション研究会
研究課題:人間安全保障と国際人口移動―日本・アジア間と南アフリカ・南部アフリカ間の
       比較から
研究代表者:国際関係学部教授 佐藤 誠
  本研究は、人間安全保障を一つの分析視角として、日本と南アフリカ(南ア)といういずれもリージョナルな経済的中心に注目し、日本とアジア周辺国間、南アと南部アフリカ周辺国間それぞれにおける国際人口移動の比較分析を行い、人間安全保障論からみた国際人口移動の実態把握と理論構築を行おうとするものである。国際人口移動において、移民は送り出し国からも受け入れ国からも十分な庇護を受けず人権と安全を脅かされやすい。他方、人の移動に伴う感染症や武器、麻薬、貧困の拡散は定住者の安全を脅かす。それゆえ移民と国際人口移動にともなう安全への政策的対応は、「欠乏からの自由」と「恐怖からの自由」を説く人間安全保障にとって象徴的な意味を持つ。  移民と定住民双方にとっての人間の安全保障という観点から国際人口移動をみたとき、今日、もっとも顕著な現象の一つが医療労働者の国際移動である。グローバライゼーションや少子高齢化の進展にともなって、近年、医療労働者の国際移動が加速度的に増加した。日本では経済連携協定(EPA)を通じたインドネシア人看護師・介護士候補生の受け入れが始まった。他方、人口移動による深刻なエイズ感染拡大の問題を抱える南部アフリカ諸国では、医師や看護師の海外出稼ぎが近年増加し、国内における医療サービスの供給に深刻な影響を及ぼすようになった。本研究は、医療・保健分野を中心に、アジアと南部アフリカ両地域における国際人口移動の現状とそれが移民と定住民双方にとっての人間の安全保障に対してどのような含意を持つのかを探る。



2008年度活動報告
今年度は、①南アフリカ、プレトリアにおける国際共同ワークショップの開催、②国内における定例研究会の実施を中心に研究を進めた。 ①国際共同ワークショップは、2008年9月1-2日、南アフリカ、プレトリア大学において「Human Security and Migration: Southern Africa and Japan in Comparative Perspective」をテーマに開催した。本研究プロジェクトをもとに発展させた科研プロジェクト(基盤研究B)のメンバーを中心に日本から8名、プレトリア大学およびステレンボッシュ大学などから5名の南アフリカ側共同研究者が報告を行い、アジアと南部アフリカそれぞれの地域における国際人口移動の特質と比較の視点について議論を深めた。 ②定例研究会は、今年度は5回開催した。日本・インドネシア間での経済連携協定(EPA)によるインドネシア人看護師・介護士候補生の受け入れが開始されたことを受けて、(1)外国人看護師・介護士受け入れについての日本側ステークホールダ―の対応や準備状況、(2)インドネシア、フィリピンといった日本に看護師・介護士を送り出すアジア諸国側の対応などといった問題を中心に報告者の研究報告を受けて、活発な議論が行われた。

2008年度研究会実施状況
第1回 2008年7月4日
・日本の医療労働現場における外国人労働者の受け入れについて
 竹野 幸子(非営利・協同総合研究所いのちとくらし事務局 )
・シンガポールにおける外国人介護労働者の受け入れ制度・政策:老人介護施設のケース
 マリア・レイナルース・D・カルロス(龍谷大学国際文化学部)

第2回 2008年7月12日
・転換期の南アフリカ~岐路に立つポスト・アパルトヘイト国家
 白戸 圭一(毎日新聞編集局政治部記者、前ヨハネブルグ特派員、国関OB)

第3回 2008年7月14日
・Human Security in an Age of Globalization: Notes Towardsa Future Research Project
 Mustapha Kamal Pasha(University of Aberdeen, UK)

第4回 2008年11月4日
・JPEPA and Filipino Caregivers and Nurses to Japan
 Maria Rosario Ballescas-Piquero(フィリピン大学セブカレッジ社会科学部)

第5回 2008年11月12日
・インドネシア人介護福祉士候補者2008年度受入れ状況の現実と課題
 山崎イチ子(花園大学社会福祉学部)
・EPAインドネシア人看護師・介護福祉士受入れの問題点-就労者の負担、施設の負担
 嶋田ミカ(龍谷大学経済学部)

2007年度研究報告
 2007年度には南アフリカ・プレトリア大学から海外共同研究者であるフセイン・ソロモン教授およびニコラ・デヤヘル講師を招聘し共同セミナーを開催したほか、定例研究会を5回行い、各人の研究成果について報告し議論を深めた。

第1回定例研究会 2007年4月24日
「本プロジェクトの3年間の研究計画について」

第2回定例研究会 2007年6月8日
 ・「外国人の子どもが置かれた教育環境」
  小島祥美(愛知淑徳大学)
 ・「韓国における移住労働者問題―中国朝鮮族を中心に」
  鄭雅英(立命館大学)

第3回定例研究会 2007年7月17日 
 ・「Decentralization with Community Participation:
    Human Security and the Health Sector of Uganda」
  S. Ben ZIWA(大阪大学大学院人間科学研究科)
 ・「医療労働者の国際移動の現状と諸問題」
  佐藤千鶴子(立命館大学)

国際共同セミナー 2007年10月9日 
 ・「Migration Regimes and the Politics of Insiders/Outsiders:
   Japan and South Africa as Distant Mirrors」
  峯陽一(大阪大学)
 ・「Xenophobia in South Africa: Origins, Trajectory and Recommendations」
  Hussein SOLOMON(プレトリア大学)
 ・「Influx of Zimbabweans to South Africa: Crisis of Governance and Migration」
  Nicola DE JAGER(プレトリア大学)
 ・「International Migration of Filipino Nurses and Its Impact on Health Service in the Philippines」
  佐藤千鶴子(立命館大学)

第4回定例研究会2007年12月18日
 ・「Business in the Air: Regulations and Uncertainties in International Labour Migration in East Asia」
  XIANG Biao(オクスフォード大学)

第5回定例研究会2008年1月29日
 ・「移民としてのコリアン:ロシア、アメリカ、中国で」
  鄭雅英(立命館大学)


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