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ポスト西洋型国際関係理論研究会
研究課題:ポスト西洋型国際関係理論の構築―英国学派をこえて
研究代表者:国際関係学部特任教授 安藤 次男
 
 国際関係論は、第一次大戦後すぐの1919年、英国ウェールズ大学に産声を上げた。 そして今年(2009年)、学問生誕90周年の節目を迎える。 

 この間、世界は、ヴェルサイユ体制の興隆と崩壊、第二次世界大戦、冷戦、植民地独立、冷戦崩壊とその後のグローバル化など、それまでの世界が経験してこなかった「激動」のなかにあり続けた。これに沿うようにして、その時々の世界をいかに理解し、認識し、説明するかは、国際関係論の担うべき主要な学問的課題であり続けた。世界がこれまで以上に一体化と多様化とを同時に進行させ、また国際関係論が学問として次の世紀に進もうとしつつある今日、それらを一手に支える理論は、未来に向けてどのようなあり方を示すべきなのか。 本プロジェクトは、2006年度から2008年度にわたって行った「英国学派と国際関係理論」研究の展開版である。その目的は、米英問わず国際関係論一般がこれまで有してきた西洋/近代/男性中心主義の克服が可能かを検討し、将来的な国際関係理論のあり方を考えることにある。より具体的には、西洋/近代/男性中心主義を越え、世界に散在する様々な価値や考え方を大胆に摂取し調和させながら、現代世界を一層普遍的かつ多元的に理解できる「ポスト西洋型国際関係理論」の構築を目指すことが、本プロジェクトの掲げる課題である。 本プロジェクトは、ポスト西洋型国際関係理論の検討を大学単位で行う日本初の試みである。とりわけ、①西洋、アフリカ、アジア等複数の地域に研究対象を設定し、②考察にあたっては国際関係論を軸にしつつも隣接する学問諸領域を意識し、さらには③結果を「ポスト西洋型国際関係理論」として総合的にまとめあげることで、個人研究ができなかった体系的組織的な知見を提示しようとする点に、本研究の大きな特色がある。加えて、④研究成果を国際的に集約させ発信することで、立命館を、英国学派に続き当該研究に関するリサーチ・ハブへ発展させていくことも期待できる。

2009年度活動計画
 本プロジェクトが具体的に掲げるのは、①西洋的国際関係理論の把握と、それに対する批判的検討、②非西洋圏の知的伝統をもとにした国際関係理論の考察、③「ポスト西洋的国際関係理論」の構築に向けての考察、という三点である(下の研究イメージを参照)。
 
 
 
        
 本年度は、5月のキックオフセミナーを皮切りに、各課題に関しての研究報告を進めていく。学内での研究会におけるメンバーの報告を基本とするが、適宜学外・国外の研究者を招へいし、それぞれの立場から「西洋型国際関係理論の限界」と「ポスト西洋型国際関係理論の可能性」とを明らかにする。また、プロジェクトメンバーによる学外での報告・パネル報告を奨励する。  研究成果は、研究会はもちろん、内外の学会でも報告し、国際地域研究所紀要(和文・英文)、国際関係学部紀要、学会誌へ寄稿・投稿して公表する。特に国際的な発信を心がけたい。また、これまで進めてきた「英国学派関係文献データベース」と統合する形で、「ポスト西洋型国際関係理論」に関係する書籍・論文等を集めたデータベースを構築する。データベースは国際地域研究所のWebにリンクさせ、広く研究者の便宜に図ることとしたい。  加えて、2010年3月に、これまでの研究をいったん総括するかたちで国際シンポジウムを開催する。基調講演者として、英国アバリストウィズ大学より、アンドリュー・リンクレイター教授を招聘するほか、テーマごとに複数の報告パネルを立て、年度の成果を広く還元する (シンポジウムに関するお知らせは、詳細が決まり次第、国際地域研究所ほかWebにて掲載いたします)。

2009年度活動報告
 本プロジェクトでは、2009年度、学内研究会を3回、国際シンポジウム1回開催した。前年度に比して回数の上では減少するものの、いずれも、プロジェクトの掲げた研究課題に関する内容を国際的レベルから検討するものであり、密度の濃い報告と研究討議の場となった(各研究会での内容に関しては、「報告要旨」を参照されたい)。とりわけ、2010年3月に開催されたシンポジウム(「岐路に立つ国際関係理論-西洋/非西洋的視点からの新構想」 立命館大学国際地域研究所、同国際関係学部・大学院国際関係研究科共催)は、テーマに関連するものとしては日本初に近い試みであり、英国から招へいしたAndrew Linklater、Hidemi Suganamiの両教授(ともにアバリストウィズ大学国際政治学部教授)とともに、2日間にわたって活発な意見交換を行うことができた。また以上の研究会・シンポジウムに加え、プロジェクトは大学院GPによる院生研究会やワークショップ等の催しとも連携、メンバーによる参加や報告、討論がなされた。
 このような活動に加え、2009年度は、プロジェクトメンバーによる研究の国際的展開も活発に進められた。2009年8月、同12月、2010年2月には、韓国(アジア研究者会議)、英国(英国国際政治学会)、米国(米国国際政治学会)においてテーマに関連した報告パネルがそれぞれ開設され、複数のメンバーが座長、報告者、討論者として参加した。併せて海外研究者とのネットワーク構築も進められ、英国国際政治学会英国学派研究者ネットワークへの加入を筆頭に、国際的な研究者の連携を増強することもできた。これに併せて、国際的な研究情報の交換も進められている。

2009年度研究会

  国際シンポジウム
  &ワークショップ
 2010年3月23-25日  場所:朱雀多目的室、恒心館735教室
 テーマ  岐路に立つ国際関係理論-西洋/非西洋的視点からの新構想
 "International Theory at the Crossroads:
Critical Scrutity from the West/Non-western Views"   報告要旨
第1日目 基調報告  アンドリュー・リンクレイター教授 (英・アバリストウィズ大学)
第2日目 基調報告  ヒデミ・スガナミ教授 (英・アバリストウィズ大学)

第3回研究会  2009年7月6日(月)14:45-16:15  場所:存心館904教室
テーマ  “The Birth of the ‘Taiwanese’
 On the Genealogy of Taiwanese National Identity”   報告要旨
報告者(所属)  Dr. Hwang, Yih-Jye (Postdoctoral Research Fellow, University of Leiden)

第2回研究会  2009年6月15日(月)16:30-18:00  場所:末川記念会館 第3会議室
テーマ  “Critical Theory from Canada’s Perspective”      報告要旨
報告者(所属)  Professor Claire Turenne-Sjolander (University of Ottawa, Canada)

 第1回研究会  2009年5月28日(木)16:30-18:00  場所:諒友館829教室
テーマ  国際関係理論の「ポスト西洋的転回」と英国学派      報告要旨
報告者(所属)  池田 丈佑 (立命館大学PDF)    

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