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現代中国研究会
研究課題:現代中国の社会・文化的変容の研究―高度情報化を中心に―
研究代表者:法学部教授 宇野木 洋
  同時代中国は急激な経済成長を遂げる中で、想像を超える急速な社会変容に直面している。種々のレベルにおける「格差」の問題もその主要な顕現と言えよう。だが大都市部においては、高度情報化社会と呼ぶべき状況がすでに出現しており、それが加速度的に全国に広がりつつあるのも確かである。一例のみのデータを紹介しておけば、携帯電話の保有者は6.4億人を超え(2008年のみで5千万人増)世界第1位となっており、かつ、使用方法も音声通話から「短信」(ショートメッセージ)重視に移行しつつあって、「中国移動通信」は年間6000億通を扱い、例えば08年の春節(旧正月)期間の1週間のみで送信された年賀「短信」だけでも170億通を超える状況にある。
 こうした高度情報化の急速な到来は、中国で暮らす人々の生活スタイルから文化・意識、更には言語といったものまでを変容させつつある。本学の現代中国研究者が結集する本研究会は、人文・社会科学の共同研究に基づき、この変容過程を多面的に明らかにすることを第1歩として、激変する同時代中国を総合的に認識していくことを目標としている。

2009年度研究計画
 本研究会メンバーは、いずれも現代中国研究の各領域において、すでに実績のある研究成果を有していることから、まず、「高度情報化」による「変容」という角度から自己の研究対象を振り返った際に何が見えてくるか、という報告を積み重ねることから始めていく。これは、自己の研究対象とは異なる研究領域における課題の共有という作業という位置づけとなる。その後、浮き彫りになった課題を整理する議論を深めつつ、協力して進めていくべき重点テーマを明らかにし、それに基づいて共同研究を推進していくことになる。その際には、共通に議論を深めることが可能となる代表的な文献・資料を中心とした報告と、意識的に研究方法をめぐる報告を積み重ねていく必要があろう。 今年度は、まさに本研究会の「本史」の初年度となる。着実に歩み続けていきたい。

2009年度研究報告
 同時代中国は急激な経済成長を遂げる中で、想像を超える急速な社会変容に直面している。種々のレベルにおける「格差」をはじめとする諸問題もその主要な顕現である。2009年度は、「高度情報化」というキーワードを切り口に、こうした変容過程の諸相をめぐる共同研究を進めたが、徐々に、「高度情報化」の基盤とも呼ぶべき「近代化」自身に対する研究の必要性が共通認識になっていったと言えよう。これにともない、09年度に実施した研究会は、以下のテーマとなった。

 1. 宇野木洋(本学法学部=当時)「問題としての近代から見た『毛鄧』時代」(10月23日)

 2. 奥村哲(東京都立大学)「歴史としての毛沢東時代」(12月11日)

 ともに、現在に繋がる建国後中国の状況を検討するにあたって、「近代」ないし「近代化」の再審が不可欠であることを、文化的かつ歴史的に明らかにした報告内容となった。

 09年度の研究会開催は、種々の事情により以上の2回に留まったが、個別研究は積み重ねられており、その一端は、国際地域研究所が主催した日中国際シンポジウム「21世紀東アジアにおける新たな日中関係―現状と課題―」(外務省日中研究交流事業)にも結実している点は付記しておく。

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