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日米中政治経済研究会
研究課題:日米中経済関係の分析と日米同盟の変容
研究代表者:国際関係学部教授 中川 涼司
  世界金融危機の発生とともにアメリカの経済的基盤が揺ぎ、日本の経済的停滞が継続している一方で、2010年には経済規模で日本を超えると予測される中国の台頭は世界経済の構造的変化を生み出している。その結果、かつてのような日米関係を中心とした認識枠組みでは世界経済の実態把握や日本の対外政策の有用性を主張することが困難になってきている。こうした世界経済構造の変化は実際にアメリカの世界戦略の再考を促し、ハードパワーとソフトパワーを統合したスマートパワー論(ナイ)や中国重視を鮮明にしたG2構想(バーグステン)および米中戦略・経済対話論がワシントンの戦略構想として提起されている。これに対して、日本でも世界経済の構造的変化に対応するために、「東アジア共同体」構想や日米正三角形論などが議論されているが、これらはアメリカファクターを十分に捉えきれていない点で学術的・政策論的に問題点が指摘されている。一方で、「日米同盟の危機」(カルダー)に対する警鐘とともに日米同盟強化論が提起されているが、これも従来型の思考枠組みから脱却できない現状維持の対応に留まっている。したがって、これまでの概念に対する理論的再検討と日米中の経済実態の把握は今後の日本のあり方を模索する上でも不可欠であろう。
 
  こうした状況のなかで、本研究の目的はまず、中国の経済成長にともなう国際貿易のパターンや資本フローの変化を把握し、日米中を中心とした国際経済秩序の形成が世界経済にどのような意味を持つのかについて考察する。また、日米中の経済関係の実態を可能な限り具体的かつ包括的に把握すると共に、こうした世界経済構造の変化がアメリカの世界戦略と日米関係にどのような影響を及ぼしているのかについて明らかにすることである。
 
2010年度活動計画
        
 具体的な研究方法は以下の通り。
  1. 日米中を中心とした国際経済秩序に関する理論研究 米中スーパーキャピタリズム論、G2構想、スマートパワー、米中戦略・経済対話、日米同盟強化論、東アジア共同体構想、日米中の正三角形論など、国際経済秩序における日米中の三カ国の関係を理論的に検証する。
  2. 日米中の経済実態の把握 日米中の資本フロー、日米中の貿易構造、日米中のネット企業、日米中のサービス産業、日米中の労働力移動、デカップリング論などについて具体的かつ実証的に解明および再検討する。
  3. フィールド調査 ワシントンおよび北京において関連研究機関等でのフィールド調査および聞き取り調査を実施する。
  4. 研究報告、シンポジウムの開催と著書の出版  毎月1回の研究報告会を開催する。 研究報告および国際セミナーにおける研究成果は著書として出版する予定であり、2010年度はそのための構想具体化と出版社の確定などの準備作業を行う。

2010年度研究会
第1回   2010年5月29日(土) 14:00-17:00、末川記念会館第3会議室
テーマ  日米中トライアングル関係の基本視点
報告者       朝日 稔 (本学特任教授)
テーマ  NAFTAの現状と問題
報告者       中本 悟 (大阪市立大学大学院創造都市研究科教授)
テーマ   プロジェクトの進め方
報告者       中川 涼司 (本学国際関係学部教授)

第2回   2010年6月26日(土) 14:00-17:00、末川記念会館第3会議室
テーマ  米経常赤字のファイナンスと対外債務・債権の概念上の区分
報告者       奥田 宏司 (本学国際関係学部教授)
テーマ   軍事産業のグローバル化と日米関係
報告者        松村 博行 (国際日本文化研究センター)

第3回   2010年7月31日(土) 14:00-17:00、末川記念会館第3会議室
テーマ  サービス多国籍企業と国際分業
報告者       井上 博 (阪南大学)
テーマ   中国のアフリカ進出と米中関係
 ―ルジュ・ミッシェル、ミッシェル・ブーレ著『アフリカを食い荒らす中国』の検討
報告者        田村 太一 (立命館大学非常勤講師)

第4回   2010年10月30日(土) 14:00-17:00、末川記念会館第3会議室
テーマ  航空宇宙からソフトウェアへ-『創造型企業都市』シアトルの軌跡-
報告者       山縣宏之 (立教大学)
テーマ   オバマ政権の対中・対東アジア政策
報告者        藤木剛康 (和歌山大学)

第5回   2010年11月27日(土) 14:00-17:00、学而館第2研究会室
テーマ  アメリカにおける対中政策論議-米国議会公聴会を中心に
報告者       中戸祐夫 (立命館大学)
テーマ   日米中における威嚇型と約束型のコミットメントの相克
報告者        佐藤史郎 (京都大学)

第6回   2010年12月25日(土) 14:00-17:00、学而館第2研究会室
テーマ  世界金融危機後のアメリカ連邦財政の現状と課題
報告者       河音琢郎 (和歌山大学)
テーマ   米国による2つの外圧エピソードと日中の対応
報告者        中川亮平 (立命館大学)

第7回   2011年1月22日(土) 14:00-17:00、末川記念会館第2会議室
テーマ  日米・米中間農産物貿易の近年の動向
報告者       千葉典 (神戸市外国語大学)
テーマ   国際政治経済学の方法論
 ―関下稔著『国際政治経済学要論―学際知の挑戦』の検討を通じて
報告者        森原康仁 (京都大学大学院経済学研究科博士後期課程)

第8回   2011年2月18日(土) 14:00-17:00、末川記念会館第3会議室
テーマ  中国対外経済政策決定の新段階―国際レジームへの対応と国内体制―
報告者       中川涼司 (立命館大学)
テーマ   アメリカ金融覇権終わりの始まり―グローバル経済危機の検証
報告者        毛利良一 (日本福祉大学)

第9回   2011年3月19日(土) 14:00-17:00、末川記念会館第3会議室
テーマ  米国議会の対中戦略と経済関係
 ―2010年版『米中経済・安全保障 再調査委員会報告』の検討を通じて
報告者       田村太一 (立命館大学)
報告者        小山大介 (大阪樟蔭女子大学)


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