HOME 国際地域研究所について 研究プロジェクト 刊行物 講演会・シンポジウム

HOME 研究プロジェクト 2011年度 日本経済研究会
日本経済研究会
東日本大震災後の日本経済の課題と展望―成長から適応へ―
研究代表者:国際関係学部教授 高橋 伸彰
  2011年3月11日に東日本を襲った三陸沖を震源とするマグニチュード9の大地震は、予期せぬ形で日本に対する世界の関心を引き起こした。それは、行方不明者を含め2万4千人に上る犠牲者を出した未曾有の自然災害という悲惨な「事実」によるのだけではなく、我々が享受している文明の基盤がいかに脆く、また危険であるかを福島第一原発の事故を通して世界中の人々が再認識する「転機」にもなったからだ。改めて指摘するまでもなく、欧米にキャッチアップしてから久しい日本経済の課題は、欧米の背中を眺めて走りつづけていた高度成長期とは大きく変わっている。それにもかかわらず2度の石油危機を経ても、またバブル崩壊の痛手を受けても経済成長に対する期待は人々の精神に根強く染みついており、歴史的な政権交代を果たした民主党政権も「成長信仰」から離脱できないまま迷走を強いられている。いま求められている大震災後の復興ヴィジョンには、欧米が主導してきた近代以降の成長中心的な「発展」モデルとは異なる、アジア発の新しい持続的な「発展」モデルの芽が胚胎している。その萌芽は日本にとって脱「成長信仰」の画期となるだけではなく、世界にとっても「発展」のパラダイムチェンジをもたらす画期になると期待される。国際地域研究所がこれまで蓄積したアジア研究との連携を図りながら、改めて日本を地域研究の対象として取り上げ、「災後」の復興構想をアジアの中の日本、ひいては世界の中の日本として位置づけ、研究することは学術的に意義があり、本学の国際化にも寄与すると考えられる。

研究計画
 第1に、日本経済がバブル崩壊以降、20年以上にわたって停滞を続け、世界経済の中に占める地位を大きく後退させた背景について、1970年代前半に生じた成長率の下方屈折(ポスト高成長)まで遡り、下村治や高橋亀吉によって展開された当時の政策批判を歴史的、統計的に検証し、今日に至る停滞の根因が政府と日銀によるポスト高成長に対応した政策の失敗と、それを支持した経済学者や官庁エコノミストによる経済分析の誤りにあったことを明らかにする。

 第2に、第1の分析を踏まえたうえでポスト高成長の政策は、経済的、社会的リスクが不透明な技術(原子力やインターネットなど)によって成長の制約を克服することではなく、資源やエネルギーおよび環境の制約に対して日本の産業構造や生活様式をいかに適応させるかにあったということを、持続的な経済発展の観点から学際的に検証する。

 第3に、今回の大震災の被害がいわゆる「自然災害」の域を超えて、日本の経済社会の基盤を揺るがす領域や分野にまで拡大・浸透している根因が、成長に固執した「経済失政」にあったことを示したうえで、人知の及ばない制約に対しては克服よりも適応を優先する「発展」モデルを、復興構想の一環として提示する。

2011年度研究会
第1回   2011年10月28日(金) 15:15-18:00、敬学館266教室
テーマ  近代の終焉という歴史認識から見た大震災と原発事故の意味を問う
報告者       水野 和夫(内閣府官房審議官・埼玉大学客員教授)
討論者       山下 範久(国際関係学部教授)
司会進行       高橋 伸彰(国際地域研究所所長)

第2回   2011年12月2日(土) 18:00-20:00、キャンパスプラザ第1講習室
テーマ  日本経済が直面する課題に大震災と原発事故が与えた影響
 ―財政危機と地域再生の視点から―
報告者       神野 直彦(地方財政審議会会長・東京大学名誉教授)
討論者       中川 亮平(国際関係学部講師)
司会進行       高橋 伸彰(国際地域研究所所長)

立命館大学国際地域研究所・東京大学産学連携プロジェクト
「21世紀の日本の進路を考える会」合同ワークショップ

詳細はこちら
   
  災後社会の長期的条件: 資本主義システムの変容と日本
日時 2012年3月10日(土) 13:00-17:00
場所 京都キャンパスプラザ6階第1講習室
要事前連絡 ご来聴ご希望のかたは3月3日までに 山下範久教授(norihisa〔at〕ir.ritsumei.ac.jp)までご連絡ください。
第一報告       水野和夫(埼玉大学客員教授) 
「歴史の危機とポスト・グローバリゼーション~蒐集の終わり~」 
第二報告       高橋伸彰(立命館大学国際関係学部教授) 
  「戦後日本における成長政策の批判的検証」 
第三報告       川島博之(東京大学大学院農学生命科学研究科准教授) 
  「グローバルヒストリーとして見た現代アジア農業」 
第四報告       山下範久(立命館大学国際関係学部教授) 
  「『長い20世紀』の終わりとリスクの変容」 
全体討議   


2014年度2013年度2012年度2011年度

Home | Contact | Link Copyright (c) 2008 立命館大学国際地域研究所 All Rights Reserved.