センター長のメッセージ

ロボティクス分野は,基礎科学として機械,電気,情報などを基盤に発達してきました.最近では,ロボットを利用した人間科学,身体運動科学,心理学等へも広がっています.さらに,今後は化学,生物学等を基礎科学として持つことになるでしょう.特に,従来の金属材料に限定せず新しい材料を利用するロボットの出現が期待されます.
利用分野では,今までは自動車,電気製品の自動生産用の産業用ロボットが中心でした.今後は,これらの利用分野に加えて,食品,衣服などの生産,医療,福祉,農林水産,建設,環境計測,資源調査,資源開発等に幅広く利用されることが期待されています.
ロボット製作者の視点ではなく,ロボット利用者の視点から必要な技術課題を明確にして,研究・開発を進めることが重要と思います.たとえば,同じ作業を達成するロボットでも,新しい技術によって,極めて利用し易いロボット,極めて低価格なロボットを開発することなどは,ロボットの利用拡大には真に有用と考えます.
このような考え方をもって,社会,産業界の皆様と抜本的な協力を基盤に,ロボットの多様な研究開発,多様な利用法を促進していきたいと思います.新しいロボット創造を皆様と一緒に切り開きたいと考えます.

ロボティクス研究センター センター長 川村貞夫 (理工学部ロボティクス学科教授)