センター長挨拶

大学行政研究・研修センター長 
森島 朋三

立命館は、2大学・4附属中学・高等学校・1附属小学校を擁する私立総合学園として、時代に真摯に向き合い、社会を見据えた改革に取り組んでまいりました。

近年の国家間の動向や、人工知能(AI)・ICTの進展、急激に変化する社会情勢は、想定を超えた水準で変化しています。このように激動する世の中であるからこそ、私たちにはさらに高いレベルの「チャレンジ」、つまりは、「時代の変化」を積極的に捉えて、そこに“問いを立て”、“チャレンジする”ことが重要です。

日本は、成熟した豊かな資本主義国としての発展を果たした一方で、「縮小ニッポン」とも言われ、急速な少子高齢社会の到来、グローバル化の遅れ、産業のガラパゴス化など、10年20年先を見通すならば、「課題先進国」との国際評価を受容せざるを得ない現状にあります。しかし、「課題先進国」は、今後の取り組み方によっては、「課題解決先進国」にもなりえます。教育・研究機関であるわれわれ自身が「課題解決先進大学・学園」として、「ニッポンの課題」「世界の課題」に正面から取り組むことが求められているのではないでしょうか。

今後、日本の教育・研究機関が、「課題解決先進大学・学園」を目指すにあたっては、様々なステークホルダーのほか、大学・学園を支える教職員の力が必要不可欠です。とりわけ、大学を支える職員に期待される力量はさらに高くなります。「学園課題と高等教育情勢認識」「業務における課題発見」「数値から課題を読み取る力」「課題解決力」、それらをふまえた「政策立案力」など、社会の期待にこたえることが可能な力量形成がより一層必要となります。

本大学行政研究・研修センターは、2005年の開設以降、①大学職員の新たなあり方の社会発信、②立命館の中長期的課題を担う職員育成、③大学行政・大学職員論研究の推進、の3点を主なミッションとし、各種育成プログラム、公開シンポジウムの実施、政策研究の推進を通じ、多くの大学職員力量形成、学園課題の推進・発展に寄与してきました。まさに、本センターは、「課題解決先進大学・学園」を担う人を育むべく、“問いを立て”、“チャレンジする”場として歴史を重ねてまいりました。

今後も本センターは、次世代を担う大学アドミニストレーターの養成、そして未来の大学を担うアドミニストレーターにかかわる積極的な問題提起を行ってまいります。本センターでの取り組みを通じて、日本そして世界の諸課題に正面から取り組み、日本の高等教育の発展に貢献すべく、今後も歩みをすすめてまいります。

大学行政研究・研修センター長
(学校法人立命館理事長)
森島 朋三